内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ノーベル医学生理学賞に大隅良典氏
2016-10-04 Tue 09:37
 スウェーデンのカロリンスカ医科大は、きのう(3日)、今年のノーベル医学生理学賞を、東京工業大の大隅良典・栄誉教授に授与すると発表しました。授賞理由は「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」で、日本のノーベル賞受賞は、昨年(2015年)の医学生理学賞の大村智・北里大特別栄誉教授物理学賞の東京大宇宙線研究所長の梶田隆章教授に続き25人目です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      第7回国政生化学会議

 これは、1967年8月19日に発行された第7回国際生化学会議の記念切手で、細胞内部の細胞質の模型が取り上げられています。今回の授賞理由となった“オートファジー”は、細胞が細胞内部の劣化したタンパク質などを分解し、栄養源などとして再利用する仕組みということなので、“細胞”にフォーカスをあてた切手をご紹介してみました。

 切手は、ミトコンドリア(右上から中央下にかけて描かれているゾウリ型)を中心に、小胞体やゴルジ体とおぼしきものと分子構造模型が描かれています。切手に取り上げられた細胞小器官のうち、ミトコンドリアは細胞内のエネルギー発生の場で、小胞体は一重の生体膜に囲まれた板状または網状の膜系で、タンパク質や脂質の合成、代謝、カルシウム貯蔵など、多くの細胞機能に関わる器官、 ゴルジ体は扁平な袋状の膜構造が重なっており、タンパク質の糖鎖修飾などを行います。

 一方、分子構造模型はタンパク質構造(ペプチド構造)の一部を表現したもので、球の色ごとに分子が描き分けられており、黒が炭素、灰味青が水素、赤が酸素、青が窒素、黄が硫黄、となっています。

 切手の題材となった生化学は、生命現象を化学的側面から研究する学問分野で、タンパク質や脂質、糖質、核酸、カルシウムイオンなど、目的の分子を生体から取り出して主として試験管内で実験を行うものです。(生体内の化学反応を研究する学問は、生理学として区別されます。)

 生化学の知見が人間の生活に応用された事例としては、約5000年前に、パンを膨らませるために酵母を用いたことにまでさかのぼることができますが、近代的な生化学のルーツとしては、1828年にフリードリッヒ・ヴェーラーが発表した尿素の合成に関する論文(それまで、生体内でしか作ることができないと考えられていた有機物が人口的に合成できることを証明した)や、1833年のアンセルム・ペイアンによるジアスターゼ(酵素)の発見、などに求めることができます。

 その後、生化学の発展に伴い、この分野での国際的な学術交流も進み、1949年には第1回の国際生化学会議がイギリスのケンブリッジで開催されました。以後、国際生化学会議は3年ごとに世界各都市で開催されています。

 今回ご紹介の切手の題材となった1967年の第7回会議は、東京のプリンスホテルとホテル・ニューオータニを会場に、8月19-25日の日程で約4000名(うち日本人参加者は約1500名)の参加を得て開催されました。

 なお、国際生化学会議は、1991年にエルサレムで開催された第15回会議から国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)と名称を変更し、現在にいたっています。


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