内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アンジェイ・ワイダ、亡くなる
2016-10-10 Mon 12:27
 ポーランド映画の巨匠、アンジェイ・ワイダ監督(以下、敬称略)が、きのう(9日)、亡くなりました。享年90歳。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ポーランド・アンジェイ・ワイダ(2000)

 これは、2000年、ワイダのアカデミー賞・名誉賞受賞を記念して、ポーランドが発行した切手で、当時のワイダの肖像が取り上げられています。

 アンジェイ・ワイダは、1926年3月6日、ポーランド東北部のスヴァウキで生まれました。父親はポーランド軍の大尉で、第二次大戦中、ソ連によるカティンの森事件に巻き込まれて亡くなっており、ワイダ本人も対独レジスタンスに参加しました。大戦後の1946年にクラクフ美術大学に進学しましたが、その後、ウッチ映画大学に進学。1953年に同校を修了しました。

 1955年、ドイツ占領下・1942年のワルシャワを舞台にした『世代』で映画監督としてデビューし、1957年、1944年のワルシャワ蜂起を題材にした『地下水道』が第10回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。さらに、1958年にイェジ・アンジェイェフスキの同名小説を映画化した『灰とダイヤモンド』では、ソ連による“解放”に抵抗するロンドン亡命政府派の青年とその挫折を描き、1959年の第20回ヴェネツィア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞しました。これら3作品は“抵抗三部作”として知られています。

 また、1977年には、1950年代に労働英雄となったものの、友人をかばったことで逮捕され、社会的に抹殺された男、ビルクートをテーマにした『大理石の男』を発表。この映画は、ポーランド国内では1977年2月25日に公開され、3ヵ月で270万人を動員したものの、当局の怒りに触れて2年間の海外上映禁止処分を受けましたが、1978年の第31回カンヌ国際映画祭にはポーランド当局に無断で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞しています。さらに、1981年にはその続編として『鉄の男』を発表。1980年のグダニスク造船所でのストライキに始まる“連帯”の運動を描き、第34回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。

 1981年、ポーランドのヤルゼルスキ政権はソ連の軍事介入を避けるためのぎりぎりの選択として戒厳令を布告しますが、これに伴い、ワイダはポーランド映画人協会長などの職を追われましたが、1986年にはポーランド映画界に復帰。1987年には京都賞を受賞し、その賞金の4500万円を投じて、1994年、クラクフに日本美術技術センターを設立しています。

 民主化後の1989年に行われた議会選挙では、新たに新設された上院のスヴァウキ選挙区から“連帯”の候補として出馬して当選。1991年まで上院議員を務めたほか、2000年には、「世界中の人々に歴史、民主主義、自由について芸術家としての視点を示した」功績をたたえ、第72回アカデミー賞にて名誉賞を受賞しました。今回ご紹介の切手は、これを記念して発行されたものです。

 最後の本格的な作品は、2013年の『ワレサ 連帯の男』で、この作品では、“連帯”の指導者から大統領となり、ノーベル平和賞を受賞したレフ・ワレサの視点から、ポーランドの民主買う運動を描いたものでした。

 謹んで、ご冥福をお祈りいたします。


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