内藤陽介 Yosuke NAITO
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 シーボルト没後150年
2016-10-18 Tue 16:46
 江戸時代にオランダ商館医として来日し、長崎で鳴滝塾を開き西洋医学や自然科学などを教えたドイツ人の医師・博物学者、フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト(以下、シーボルト)が、1866年10月18日に亡くなってから、きょうで150年です。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      オランダ・シーボルト

 これは、2014年、オランダが発行したシーボルトの切手です。

 シーボルトは、1796年2月17日、神聖ローマ帝国の司教領ヴュルツブルク(現バイエルン州北西部)、祖父・父ともに医学者の家系に生まれました。
1815年にヴュルツブルク大学に入学して医学を学び、1820年の卒業後、国家試験を受けてハイディングスフェルトで開業しました。

 しかし、開業医の仕事には飽きたらず、1822年7月、国王ウィレム1世の侍医の斡旋でオランダ領東インド陸軍病院の外科少佐に任じられると、同年9月、ロッテルダムから出航し、喜望峰を経由して翌1823年3月にバタヴィア近郊のヴェルテフレーデンの第五砲兵連隊付軍医に配属され、東インド自然科学調査官を兼任しました。さらに、同年6月末には日本研究を希望してバタヴィアを出航して8月に来日し、当時の日本の対外貿易窓であった長崎の出島のオランダ商館医となりました。

 来日翌年の1824年には出島外に鳴滝塾を開設し、日本各地から集まってきた多くの医者や学者に西洋医学(蘭学)を講義したほか、1825年には出島に植物園を作り、日本を退去するまでに1400種以上の植物を栽培しています。ちなみに、ジャワ島での茶の栽培は、シーボルトが日本茶の種子をジャワに送ったことがきっかけとなりました。

 1826年4月にはオランダ商館長(カピタン)の江戸参府に随行し、道中を利用して日本の地理や植生、気候や天文などを調査し、それまでに収集した博物標本6箱をライデン博物館へ送っています。

 しかし、1828年の帰国に際して、先に荷物を送った船が難破し、日本の海岸に流れ着いた積み荷の一部から、幕府禁制の日本地図が見つかり、返却を要請されたものの、それを拒否したため、出国停止処分を受けたのち、国外追放処分となりました。これがいわゆるシーボルト事件です。

 1830年、オランダに帰着した際に、シーボルトが持ち帰った収集品は、文学・民族学的資料が5000点以上、哺乳動物標本200、鳥類900、魚類750、爬虫類170、無脊椎動物標本5000以上、植物2000種、植物標本12000点という膨大なもので、ヨーロッパにおける日本研究の基礎資料となりました。

 1840年代になると、ヨーロッパ随一の日本専門家として、一方で日本の開国を促すために運動し、1844年にはオランダ国王ウィレム2世の親書を起草し、1853年にはアメリカ東インド艦隊を率いて来日するマシュー・ペリーに日本の資料を提供し、早急な対処(軍事)を行わないように要請したほか、1857年にはロシア皇帝ニコライ1世の書簡も起草しています。

 日本の開国後、1858年に日蘭修好通商条約が結ばれたことで、シーボルトに対する幕府の追放令も解除されると、翌1859年、オランダ貿易会社顧問として再来日し、1861年には対外交渉のための幕府顧問となります。その後も、欧米諸国に日本情勢についての情報を提供する一方、博物収集や自然観察なども続行し、風俗習慣や政治など日本関連のあらゆる記述を残し、1862年5月、多数の収集品とともに長崎から帰国。1866年10月18日、ミュンヘンで風邪をこじらせ敗血症を併発して亡くなりました。


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