内藤陽介 Yosuke NAITO
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 台北に行ってきます!
2016-10-20 Thu 02:17
 私事で恐縮ですが、あす(21日)から台湾・台北の台北世界貿易中心(TWTC)で開催される世界切手展<PHILATAIPEI 2016>に審査員として参加するため、けさ、9時前の飛行機で羽田を発ち、台北に向かいます。台湾行きは2008年のアジア国際切手展<TAIPEI 2008>以来8年ぶり、世界切手展での審査員は2014年の<MALAYSIA 2014>以来2年ぶりのことです。というわけで、“台湾訪問”といえば、やはり、この切手でしょうか。(画像はクリックで拡大されます)

      台湾行啓(1銭5輪)

 これは、1923年4月に発行された“皇太子殿下台湾行啓”の記念切手のうち、1銭5厘切手です。ここでいう皇太子殿下とは、裕仁親王、すなわち後の昭和天皇のことです。

 皇太子・裕仁親王の台湾訪問は、文官の台湾総督であった田健次郎の下で進められていた宥和政策の一環として企画されたもので、1921年11月に病身の大正天皇の摂政となり、実質的な国家元首となった皇太子の存在を植民地の住民に認識させるという意図も込められていました。

 今回ご紹介の記念切手は、逓信大臣の経験者でもある総督の田が発行にいたるまでのイニシアティヴをとっていたほか、郵便局での発売も台湾内に限られる(ただし、内地でもこの切手を郵便に使用することはできました)など、実質的には台湾総督府の発行したものです。ただし、切手を発行するということは、その国の郵政主権の根幹にかかわる部分であり、当時の日本においては逓信省以外には切手発行の権限が認められていなかったため、この切手についても、発行の告示その他の形式上は、逓信省が発行したという体裁が整えられました。もっとも、この年の『逓信省年報』には、この切手についての記載がいっさいなく、逓信省みずから、この切手を台湾ローカルの切手とみなしていたようです。

 さて、切手に取り上げられているのは、台湾で最も高い山“新高山”です。新高山は、本来、現地名で“玉山”というのですが、台湾を日本が領有した後、明治天皇の命名により改名され、戦前はこのように呼ばれていました。現代の日本人にとっては、太平洋戦争開戦時の日本軍の暗号「ニイタカヤマノボレ」のフレーズの方がなじみ深いかもしれません。なお、第二次大戦後は、当然のことながら、本来の玉山の名で呼ばれるようになっています。

 当初、皇太子は、1923年4月5日に東京を出発してお召し艦「金剛」で台湾に向かう予定でしたが、大正天皇の病状悪化から、出発は4月12日に延期されました。記念切手は皇太子の台湾到着に合わせての発行されることになっていたため、実際の切手発行日も当初予定の4月9日から16日へと延期されています。

 ちなみに、台湾滞在中の皇太子の主な日程は、以下の通りでした。

 ・(1923年4月)16日 台湾北東端の三貂角沖に到着
 ・17日 [台北] 台湾神社、総督府、台湾生産品展覧会
 ・18日 [台北] 総督府中央研究所、台北師範学校、太平公学校、台湾軍司令部、総督府医学専門学校
 ・19日 [台中] 新竹州庁、台中州庁、台中第一小学校、台中第一中学校
 ・20日 [台南] 台南州庁、南門小学校、台南師範学校、台南市第一公学校
 ・21日 [高雄] 台湾製塩会社塩田、養殖試験場、台湾歩兵第二連隊、高雄州庁、高雄第一小学校
 ・22日 [高雄] 屏東駅にて鳳山海軍無線電信所遠望、台湾製糖会社工場
 ・23日 [艦中泊]
 ・24日 [台北] 澎湖・馬公海軍要港部
 ・25日 [台北] 基隆重砲大隊、博物館、円山運動場
 ・26日 [台北] 台湾歩兵第一連隊、台湾総督府専売局、台北第一高等女学校、台北第三高等女学校、円山運動場
 ・27日 台北を出発して日本へ(5月1日に横須賀軍港着)

 さて、僕の場合、今回の台湾滞在では、26日までの展覧会期間中、日中はほぼ会場に缶詰に近い状態で、審査や会議などの予定をこなして、展覧会終了翌日の27日に帰国の予定です。現地にはパソコンも持っていきますので、この間もブログは通常通り更新していく予定ですが、なにぶんにも海外のことですので、ネットの接続環境が悪くなったり、何かトラブルが発生するなど、諸般の事情で記事の更新ができなかったり、メール等での連絡が取れなくなったりすることがあるかもしれません。

 いろいろとご不便・ご迷惑をおかけするかもしれませんが、その場合には、なにとぞご容赦ください。


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