内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:キルギス
2016-11-09 Wed 11:05
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年11月2日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はキルギスの特集(2回目)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      キルギス・ジャミーリャ

 これは、2009年に発行されたチンギス・アイトマートフ(2008年没)の追悼切手のうち、彼の代表作『ジャミーリャ』を取り上げた1枚です。

 現代キルギス最高の作家とされるアイトマートフは、1928年12月12日、ソビエト連邦キルギス共和国のタラス州シェケルに生まれました。名前はモンゴル帝国のチンギス・ハーンに由来します。幼年時代は遊牧生活を送っており、1937年には父親が“民族主義者”として粛清されるなど苦難を味わいましたが、共産主義体制下で勉学の機会を与えられ、1946年、フルンゼ(現ビシュケク)のキルギス農業大学畜産学部に入学。1953年に同大学を卒業し、畜産技師となりました。

 その後、畜産技師として働く傍ら、1956年から1958年にかけてゴーリキー文学大学で文学を学び、1958年、ソ連共産党機関紙「プラウダ」編集局に入局。この間、1957年に発表した『セイデの嘆き』(原題『面と向かって』)で本格的な文壇デビューを果たし、1958年、今回ご紹介の切手の題材ともなった『ジャミーリャ』で高い評価を得、続く1961年の『いとしのタパリョーク』(原題『赤いスカーフをした、私のタパリョーク』)をあわせた初期3部作によって、作家としての地位を確立しました。

 また、1990年にキルギスに大統領制が導入された際には、初代大統領の候補として立候補も要請されましたが、高齢を理由にこれを辞退し、彼の推薦したアスカル・アカエフが大統領となりました。独立後は、キルギスのヨーロッパ連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、ユネスコ、ベネルクス駐在の各大使を歴任し、2008年に亡くなっています。

 今回ご紹介の切手取り上げられた『ジャミーリャ』のあらすじは以下の通りです。

 主人公の少年には2人の兄がいましたが、そのうちの1人は新婚4ヶ月の新妻、ジャミーリャを残して出征していました。ジャミーリアは美しく快活で生気に溢れていましたが、夫からの家族に当てた手紙には、末尾に妻によろしく、とあるだけで、2人の絆は希薄でした。少年はそんなジャミーリャに淡い恋心を抱きますが、ジャミーリャは負傷して村に戻ってきた詩人のダニヤールと不倫の恋に落ち、駆け落ちしてしまいます。ジャミーリャが去った後、少年は自分が彼女に抱いていた感情が“初恋”であったことに気付く…というものです。切手には、主人公ジャミーリャと物語の舞台となった農村のイメージが表現されています。

 『ジャミーリャ』は当時のソ連国内のみならず、各国語にも翻訳され、作品を仏訳した作家ルイ・アラゴンは「この世で最も美しい愛の物語である」と絶賛。日本でも、浅見昇吾ならびに小笠原豊樹による2種類の邦訳が出版されています。

 さて、『世界の切手コレクション』11月2日号の「世界の国々」では、キルギスの民族叙事詩『マナス』について、その過去と現在をまとめた長文コラムのほか、民営郵便のキルギス・エクスプレス・ポスト、民族衣装の帽子エレチェークの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、キルギスの次は、2日に発売された11月9日号でのトーゴの特集(2回目)になります。こちらについては、近々、このブログでもご紹介する予定です。


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