内藤陽介 Yosuke NAITO
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 米新大統領にトランプ氏
2016-11-10 Thu 18:35
 米国の大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補を破って当選を果たしました。というわけで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      米・トランプ当選記念カバー

 これは、きのう(9日)のトランプ勝利を受けて、クリントンをノックアウトするトランプのイラストが描かれた封筒に、切手を貼って消印を押した記念品です。消印は11月9日付のモンタナ州ドラのモノですが、モンタナ州でのトランプの勝利が確定したのが現地時間の8日20時、主要メディアがトランプ当確を報じたのが同9日0時頃ですから、朝一番で郵便局に行って消印を押して作って、販売サイトに出品したのでしょう。仕事が早いですな。 

 さて、今回のトランプの勝利については、さまざまな要因が挙げられますが、米国の言論空間ではあまりにもリベラルが強く、そのあまりにも極端な主張(たとえば、議長を“チェアマン”と呼ぶのは男女差別なので“チェアパーソン”と呼ばねばならない、“メリー・クリスマス”は非キリスト教徒に配慮して“ハッピー・ホリデー”と言い換えなければならない、など)に対して、善男善女が彼らの“常識”に照らして疑義を呈することさえ、“差別”として糾弾されかねないという現状に対する不満があったことは間違いないでしょう。

 たとえば、今回の選挙戦を通じて、トランプに対しては、移民排斥の差別論者という非難がしきりに浴びせられましたが、トランプの移民政策の主張を冷静に検証してみると、彼が「すべての移民を排斥しろ」と主張したことはなく、あくまでも、「不法移民がいけない」としか主張していません。

 そもそも、移民を受け入れるには、犯罪者やテロリストが紛れ込まないように、きちんとチェックする体制がなければならないし、仮に真面目な働き者であっても、不法な手段で入国するのは、法律に則って移民しようとする人々に対してアンフェアである。不法移民をコントロールできないということは国境を守れないということであり、自国の国境を守れないということは国家としての最低限の要件を満たしていない。また、不法移民を黙認し続けてきた結果、(不当・不法で)安価な労働力が流入し、一般の米国市民の賃金を低下させ、失業率を上昇させた。したがって、米国民のために、きちんと機能する移民制度が必要なのだ・・・

 移民問題についてのトランプの主張を要約すると、上記のようになります。

 じっさい、メキシコを中心としたラテン・アメリカからの不法移民・不法滞在者は、現在、米国内に3000万人以上いると推定されており、それに伴い、犯罪者やテロリストの数も急増して刑務所は常に満杯状態です。さらに、不法滞在者であっても、人道上の理由から、病院で無償の診療を受けることができるほか、その子供は教育を受ける権利が与えられ、自治体によっては自動車の運転免許を取得することができます。そして、彼らの社会保障に対して莫大な額の税金が投入され、そのことが、フツーに働いてフツーに税金を納めている善男善女の不満となっていますが、米国内でそうした不満を口にすると“差別主義者”とのレッテルを貼られるのが実情です。また、経済界も、安価な労働力としての不法移民・不法滞在者を重宝しているので、実際には、不法移民の問題については見て見ぬふりをし続けており、既存の政治家の多くも票田を失うことを恐れて、この問題をタブー視してきました。

 じっさい、そうした既存の体制に乗っかった“エスタブリッシュメント”の象徴ともいうべきクリントンは、選挙期間中、シリアからの難民の受け入れを550%増やすと主張していましたが、ここの難民の入国の適格性を審査する方法については一言も触れていません。

 こうした背景があるがゆえに、リベラル色の強い大手メディアや“知識人”がトランプの移民政策を“人種差別”と糾弾すればするほど、現実の社会の中で生活している善男善女の反発が鬱積し、そのことがトランプの勝利につながったという構図がつくられることになりました。

 いずれにせよ、今回のトランプの勝利は、英国のEU離脱に続き、第二次大戦後の西側世界の言論空間を覆っていた“(エリートの)リベラル”に対して、善男善女の“常識”がNOを突きつけたという面は確実にあるわけで、世界史的な文脈では、来年のフランス大統領選挙とセットで考える必要があるかもしれません。

 なお、今回の記事の制作にあたっては、江崎道朗先生の『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』を参考にしましたが、同書については、チャンネルくららの番組で僕もゲストで読んでいただき、じっくりご紹介したことがありますので、よろしかったら、こちらをクリックして動画をご覧いただけると幸いです。


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