内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ペルーでAPEC首脳会議
2016-11-20 Sun 14:37
 きょう・あす(20・21日)の2日間、21の国・地域の首脳らが出席するAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が、ペルーの首都リマで開催されます。というわけで、ペルーと太平洋ということで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ペルー・PSNC切手

 これは、1857年12月1日、太平洋蒸気船会社(PSNC: Pacific Steam Navigation Company)の切手を流用して発行されたペルー最初の切手です。

 PSNCは、1838年、ウィリアム・ホィールライトがロンドンで設立した蒸気船会社で、1840年、チリ政府から沿岸の6437キロ(4000マイル)での営業権を獲得し、ペルー号、チリ号の2隻の蒸気船を用いて、ペルーのカヤオ(首都リマの外港)とチリのヴァルパライソ(首都サンティアゴの外港)間の運行を開始しました。その後、PSNCはチリ、ペルーのみならず、マゼラン海峡を越えて大西洋を横断し、欧州まで路線を拡大していきました。

 ところで、PSNCの創業者、ホィールライトはペニー・ブラックの印刷を請け負ったパーキンス・ベーコン社のジョシュア・バタース・ベーコンと親戚関係にあったこともあって、1847年、PSNC社はペルー号とチリ号で輸送する郵便物の料金を徴収するための独自の切手発行を計画し、パーキンス・ベーコン社に発注。2分の1オンスまでの料金に相当する1レアルの切手(青色で西側方面に向かうペルー号を描く。今回ご紹介の切手です)と、1オンスまでの2レアル切手(赤色で東側方向に向かうチリ号を描く)が製造されました。なお、切手の四隅には、いずれも会社の頭文字、P、S、N、Cが1文字ずつ配されており、同図案で色違いのモノも作られました。パーキンス・ベーコン社は、これらの完成品を、1847年末にはパナマにあったPSNCの代理店に5万枚、1848年初にはカヤオにも5万枚を送ります。しかし、実際にはこれらの切手が同社の運ぶ郵便物に貼られることはありませんでした。

 ところが、1857年になって、ペルー政府は国家郵政を正式に発足させ、リマ、カヤオ、チョリヨスで切手を発行することを決定。PSNCの関係者を責任者に任じて、1857年12月1日から1858年2月28日までの3ヶ月間、PSNC社の用意していた切手を用いて試験的に郵便サービスを実施させました。この結果、1848年にPSNC社の製造した切手が、ペルー最初の切手となりました。

 3ヶ月間の試験期間の後、ペルー政府は国章を描くオリジナルデザインの切手を発行。ペルー最初の切手としてのPSNC社切手はごく短命に終わり、残りの在庫も、1860年、ペルー政府によって焼却処分されてしまいました。このため、PSNC社切手の現存数は少なく、収集家の間では名品として知られています。


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