内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 世界の国々:セントルシア
2016-12-06 Tue 10:59
 ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年11月30日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はセントルシアの特集(2回目)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      セントルシア最初の切手(1ペニー)

 これは、1860年に発行されたセントルシア最初の切手のうちの1ペニー切手です。

 カリブ海のセントルシア島は、大航海時代初期にスペイン人によって“発見”されたことからヨーロッパ人の入植がはじまり、1660年、フランスが現地の先住民と結んだ条約によって植民地化され、1674年、フランスの王室植民地となりました。

 1723年以降は、基本的に、バルバドスを拠点とする英国とマルティニークを拠点とするフランスの緩衝地帯として両国の中立地帯とされ、一時的にフランスが占拠するという状況が続いていました。

 そうした中で、英仏7年戦争末期の1762年、英国はセントルシア島を占領。近隣4島とともに、現地の郵便副長官に郵便業務を行わせました。しかし、翌1763年、7年戦争が終結し、セントルシア島もフランスに返還されると、英国による郵便事業も自然消滅。その後、フランス革命とナポレオン戦争の混乱の中で、セントルシアの宗主権も英仏間をめまぐるしく移動しましたが、最終的に、1814年、セントルシアは英領となりました。

 1844年、英国はセントルシアの首府、カストリーズに最初の郵便局を設置し、1日1便、カストリーズとスフレの間の郵便を取り扱いはじめます。この時点では切手は導入されず、郵便物は手押しの印を押すことで料金が徴収済みであることを示していました。

 1858年4月1日、セントルシアから英本国宛の郵便物は料金の前納が義務づけられ、4月16日、2ヶ月分の需要を見込んで1ペニー、4ペンス、6ペンスの3種の本国切手、計50ポンド相当と、“A11”の抹消印がセントルシア宛に送られました。後に、2ペンス切手と1シリング切手も送られましたが、当時のセントルシアには文字が読み書きできるのは200人ほどしかおらず、郵便の利用はごくわずかでした。なお、現在確認されている限り、“A11”の抹消印の最初期使用例は、1858年4月28日です。

 セントルシアとしての最初の切手は1860年12月18日に発行されました。額面は1ペニー(赤。今回ご紹介の切手)、4ペンス(青)、6ペンス(緑)の3種ですが、数字の表示はなく、刷色で区別する形式になっています。中央の女王像は、サウス・オーストラリアの9ペンス切手に使われたものを流用してロンドンのパーキンス・ベーコン社が凹版印刷で製造し、1860年11月17日に英本国から発送され、現地に到着次第、発売が開始されています。

 さて、『世界の切手コレクション』11月30日号の「世界の国々」では、セントヘレナの郵便史についてまとめた長文コラムのほか、主要輸出品のバナナ、民族音楽のシャクシャクの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、今回のセントルシアの次は、14日に発売の12月21日号でのギニアビサウの特集(2回目)になります。こちらについては、発行日の21日以降、このブログでもご紹介する予定です。


★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | セントルシア | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< <CHINA 2016>終了 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  ドン・ペドロ2世125年>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/