内藤陽介 Yosuke NAITO
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 国連加盟記念日
2016-12-18 Sun 12:05
 きょう(18日)は、1956年12月18日に日本の国際連合加盟案が全会一致で可決され、国連加盟が承認されたことにちなみ、“国連加盟記念日”です。ことしは加盟60周年ということで、明日(19日)午後には、国連大学のウ・タント国際会議場において、外務省及び日本国際連合協会の主催により、皇太子殿下の御臨席の下、記念行事も行われるとのことなので、きょうは、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      国連・日本の平和の鐘(1970)

 これは、1970年に国連(ニューヨーク)の発行した“日本の平和の鐘”の切手です。“日本の平和の鐘”は、日本が国連に加盟する以前の1954年、元愛媛県宇和島市市長の中川千代治氏の尽力によって寄贈されました。

 中川は、1905年、愛媛県八幡浜市向灘生まれ。第2次世界大戦に応召し、ビルマ戦線での激戦の中、意識を失い、気が付くと鐘楼の中で一人生き残るという体験をしました。この経験から、1950年2月、自らの菩提寺であった宇和島市の泰平寺の吊り鐘が戦時中に供出され球間になっていたことに気づき、自分が戦場に携えた軍刀と世界26国のコインを溶かして平和を祈り、「世界絶対平和万歳の鐘」を奉納しました。

 この実績をもとに、翌1951年、パリで開催された第6回国連総会に日本国連協会代表でオブザーバーとして実費参加した中川は、「世界の平和を願う人々からコインを貰い、その平和への祈りを一つにした鐘を国連に寄贈し、 その鐘を世界の平和のために鳴らして欲しい」と訴え、泰平寺の鐘の音をテープで流します。これを受けて、 1952年、国連社会経済理事会は、「世界絶対平和万歳の鐘」を人類希求の声として、ニューヨークの国連本部が完成した際にはその記念に受理することを決定。非加盟国・日本の一国民の申請を国連が受理したことは、当時としては画期的なことでした。

 その後、中川は総会参加国65国の代表者から各国の硬貨の寄贈を受けたほか、ヴァティカンではローマ法皇ピウス12世に拝謁し、キリスト及びマリア像の金貨を拝領。さらに、ベルリンでは自動小銃を構えたソ連兵に「平和の鐘」の趣旨を訴え、カペイカ貨幣を貰うなどの活動をして、帰国します。

 その後、中川の元には集まった古銭、30貫の硬貨、日本刀、弾丸、銅章、各宗派のバッジ、神社の銅板等を材料として、高松市の多田鋳造所、第14代多田丈之助が鐘を鋳造、宇和島市津島町須下の宮大工、大下林平が鐘楼を建設。1953年5月、宇和島市の城南中学校校庭で、市長、教育長出席のもと宇和島市の小中学生1500人が参加して、出来上がった鐘の除幕式が行われました。

. 完成した鐘は、同年12月、日本国連協会の名のもと、横浜港よりニューヨーク国連本部に向け出発。その際、広島で被爆された禅宗住職と、長崎のキリスト教徒の女子学生から、鐘楼の礎石の下に埋めて欲しいと届けられた被爆地の土も、あわせてニューヨークに送られています。

 鐘は、1954年3月、飯野海運の常島丸でニューヨークに到着。同年6月8日 澤田廉三国連大使、ベンジャミン・コーエン国連事務局次長立会いのもと、贈呈式が行われました。“日本の平和の鐘”はそれから2年半、日本の国連加盟を待ち続けることになります。

 なお、“日本の平和の鐘”の贈呈式に際して、その最大の立役者ともいうべき中川は旅費が工面できず、参加がかないませんでしたが、こうした活動実績などが市民から高く評価され、1959年には宇和島市長に当選。以後、1967-71年を除き、市長を務め、在任中の1972年2月25日、肝臓がんで亡くなりました。

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