内藤陽介 Yosuke NAITO
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 小さな世界のお菓子たち:ブルーンケーアの切手
2016-12-19 Mon 09:15
 大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第34号(2016年冬号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

      デンマーク・クリスマス(2015)

 これは、2015年にデンマークが発行したクリスマス切手のシートで、クリスマス向けにアイシングされたブルーンケーア3種が取り上げられています。主役のクッキーに加えて、上下に書かれた北欧雑貨風の文字が、何とも言えない味わいを醸し出しています。

 欧米のキリスト教文化圏でクリスマスの風物詩となっているジンジャー・クッキーは、14世紀頃、現在のベルギーとドイツの国境付近で作られるようになったレープクーヘンがルーツと考えられていますが、レープクーヘンはヨーロッパ全体へ広まっていく過程で、地域ごとにさまざまなヴァリエーションが生じました。

 その中でも、デンマークのブルーンケーアは、必ずしもショウガを使わず、他の欧米諸国にはない、独特の材料が使われているのが特徴です。

 まず、一般的なジンジャー・クッキーでは通常の砂糖が使われていますが、ブルーンケーアでは、砂糖の代わりにブルーン・ファリンを使います。ブルーン・ファリンは、粗糖と呼ばれる茶色い砂糖にシロップを混ぜた甘味料で、デンマークではクッキーやケーキだけでなく、肉料理や魚料理にも使われています。

 このブルーン・ファリンとバター、さらにシロップを加えて温めたものに、クローブ、オールスパイス、シナモンの3種のスパイス、小麦粉と“ポタスケ”の溶液、アーモンドとオレンジの皮を加えてザックリと混ぜて生地を作ります。この生地を棒状にまとめてしばらく寝かせた後で、薄くスライスし、オーブンで5-6分焼くというのが、ブルーンケーアの基本的なレシピです。

 ポタスケというのは食用に加工した炭酸カリウムの粉末です。日本では、炭酸カリウムは中華麺のかん水として使われるのが一般的です。ブルーンケーアでは、これを重曹やベーキングパウダーの代わりに使うことで、一般的なクッキーに比べてかなりの薄焼きであるにも関わらず、焼き上がりがパリパリとしすぎず、クリスピーでありながら、しっとりとした食感を保つことができるのです。

 今回ご紹介の切手では、クリスマス向けにアイシングされた男の子と女の子、そしてハート形のブルーンケーアを取り上げた3種セットで発行されました。なお、切手に記されている“BAGVÆRK”は、直訳すると“ペストリー”の意味です。

 3種の切手を収めたシートには4隅に割られたブルーンケーアが描かれています。シートの下部にある“HYGGESTUNDER”の語はデンマーク語で“居心地の良い時間”の意味ですが、クリスマス・ツリーを見ながら、ブルーンケーアを一口サイズに割って口に運ぶ瞬間の気持ちを言い表す表現としてピッタリといえましょう。


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