内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アサド政権がアレッポ制圧宣言
2016-12-23 Fri 19:05
 2011年から続くシリア内戦で最大の激戦地となってきた北部のアレッポで、昨日(22日・現地時間)、反政府勢力の撤退と市民の避難が終わり、アサド政権は全域の制圧を宣言しました。これにより、シリア内戦は大きな転換点を迎えることになります。というわけで、シリア内戦に絡んで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      オーストリア・ユニセフ(2016)

 これは、今年(2016年)2月18日、オーストリアが発行した「ユニセフ:すべての子供に公平なチャンスを」と題する寄附金つき切手で、雪中のレバノンのベッカー高原に避難するシリア難民の少女(2015年撮影)の写真が取り上げられています。額面68セントに対して寄附金の2ユーロ32セントを加えて3ユーロで販売され、寄付金はユニセフに寄付され、シリアおよび周辺地域の難民支援のために使われます。

 さて、アレッポは2012年夏に反体制派が市の東部を制圧して以来、政権側と反体制派が市街地を二分して激しい抗争を続けてきました。しかし、今年9月、政権側は反体制派支配地域を包囲して食料や医薬品の補給を断つとともに、ロシア軍の支援を受けて空爆を実施。11月には大規模攻勢を開始して反体制派の防御線を突破し、今月12日までにアレッポ全域をほぼ制圧していました。

 このため、市内の一角で包囲されていた反体制派は重火器を放棄して市外に撤退することで合意。反体制派支配地域の民間人も政権側の迫害を恐れて市外への避難を希望する人が多かったため、今月15日以降、3万4000人以上がアレッポ県西部や隣接するイドリブ県に逃れていました。

 そして、22日、反体制派と民間人を乗せた最後の車列がアレッポ市東部を去ったことを受けて、政権側は「殉死者らが流した血、そして勇猛なわが軍と同盟部隊が払った犠牲のおかげで(…中略…)アレッポがテロリズムとテロリストから解放され、同市に残っていた人々も退避したことを受け、政府軍総司令部は同市に安全が戻ったことを宣言する」、「アレッポの治安の回復は重要な転機となる勝利だ」との声明を発表し、アレッポ全域の制圧を宣言しました。

 反政府勢力は今後も戦闘を続けるとしていますが、政権側の優位はもはや動かし難い状況ですから、いずれ、シリアの内戦は政権側に有利な停戦で終わるということになるのでしょう。

 まぁ、アサド父子のバアス党独裁体制には問題が多々あることは事実ですが、それでも、切手の少女を含め、長年の混乱に疲れ切ってしまった人々からすれば、西洋風の“民主化”より、かつてダマスカスで大法官を務めたイブン・ジャマーアが残した有名な言葉、「40年間の専制は1時間の無政府状態より良い」の方が、結局は得心の行くものということなのかもしれません。


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