内藤陽介 Yosuke NAITO
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 “封筒の日”制定
2017-02-10 Fri 15:59
 封筒・手提袋など紙製品メーカー (株)ムトウユニパックが、封(=2)筒(=10)の語呂合わせで、今年(2017年)から2月10日を“封筒の日”とし、一般社団法人日本記念日協会の認定を受けたそうです。というわけで、きょうは封筒を描いた切手の中からこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      万国郵便連合加盟50年(6銭)

 これは、1927年6月20日に発行された“万国郵便連合加盟50年”の記念切手のうち、世界地図を背景に手紙を運ぶハトが描かれています。日本の切手に封筒が描かれたのはこれが最初ですが、世界的に見ると、1845年に発行された“バーゼルのハト”が封筒を描く最初の切手となります。

 1840年に英国が世界最初の切手を発行して以来、切手を用いる近代郵便制度は急速に全世界へと拡大。当初、国境を越えた郵便物のやり取りに関しては、それぞれの国がさまざまな国との間で二国間条約を結んで処理していましたが、各国ごとに郵便物の重量についての制限や段階などが異なっていたほか、条約ごとに料金体系もさまざまでした。このため、一口に外国郵便といっても、宛先によって料金や手続きがまちまちで、利用者や郵政の現場では、さまざまな不便・不都合がありました。

 こうした不便を解決すべく、1862年、米国の郵政長官・ブレアは、世界共通の国際郵便条約締結を目指し、国際会議の開催を提案。これを受けて、1863年、英仏をはじめ14ヶ国の代表がパリに集まり、重量や料金の統一などについて討議し、31ヶ条からなる一般原則を採択しました。

 こうした流れを受けて、1868年、北ドイツ連邦の郵政長官・シュテファンが国際郵便条約の草案を発表します。

 19世紀初頭のナポレオン戦争以降、いわゆるウィーン体制下のドイツ圏では、オーストリア主導の下、35の領邦(地方君主国)と4の自由都市の緩やかな連合としてドイツ連邦が構成されていました。その後、このドイツ連邦内の主導権をめぐり、プロイセンとオーストリアが対立し、1866年6月、プロイセンはドイツ連邦からの離脱を宣言し、オーストリアに対して宣戦を布告しました。これが、いわゆる普墺戦争です。

 この戦争に勝利を収めたプロイセンは、ドイツ連邦を解散し、マイン川以北の領邦との間で新連邦を形成。シュレスヴィヒ・ホルシュタイン両公国、ハノーヴァー王国、ヘッセン選帝侯国、自由都市フランクフルト・アム・マインはプロイセン領とされました。こうして、1867年、プロイセンを盟主として、22の領邦の連合体による北ドイツ連邦が成立。これを母体に、1871年に誕生したのがドイツ帝国です。

 ドイツ統一以前の領邦国家の中には独自の切手を発行している国も多く、領邦間の郵便交換の調整は深刻な問題で、シュテファンが外国郵便の簡素化を各国に提唱したのも、多数の領邦国家を抱えるドイツとして、大いに不便を感じていたという事情もありました。

 さて、シュテファンの提案は、ドイツ統一後の1874年、スイスの召集により開催された郵便大会議において討議され、会議最終日の10月9日、「一般郵便連合の創立に関する条約」が調印されます。この条約は1875年7月1日から施行され、以後、一般郵便連合加盟国の間で交換される郵便物は均一料金となり、現在の国際郵便網の原型ができあがりました。

 一方、わが国では1871年に近代郵便が創業され、その郵便網は急速に整備されていきます。当初、日本郵政は外国宛の郵便物を取り扱うことはできず、開港地に置かれた米仏の郵便局を頼らざるを得ませんでしたが、1873年8月、日米間で皇米郵便交換条約が締結され、1875年1月1日以降、米国の仲介を頼ったとはいえ、日本の郵政は外国宛の郵便物の取り扱いを開始しました。

 こうした実績を踏まえ、1877年、わが国は一般郵便連合への加盟が認められ、郵便に関しては欧米諸国と対等の地位を獲得します。

 ちなみに、わが国は同連合創立以来、28番目の加盟国ですが、普仏戦争の影響から、フランスでさえ同連合に加盟したのは、日本の加盟前年の1876年のことでしたから、当時の日本の総合的な国力に比して、日本の国家郵政に対する国際社会の評価は極めて高かったといってよいでしょう。

 なお、一般郵便連合は1878年のパリ会議で万国郵便連合と改称されました。そして、1945年6月の国連憲章調印により、国連の専門機関となり、今日にいたっています。


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