内藤陽介 Yosuke NAITO
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 マレーシアの国家記念碑
2017-04-14 Fri 12:25
 日本とマレーシアの国交樹立60年を記念して、昨日(13日)からマレーシアを公式ご訪問中の皇太子殿下は、けさ(14日朝)、クアラルンプールの国家記念碑に供花されました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      マレーシア・国家独立記念碑  国家記念碑(実物)

 これは、1966年2月8日にマレーシアで発行された“国家記念碑”の切手です。隣には、2014年12月に開催の国際切手展<MALAYSIA 2014>に参加した際、現地を訪れて撮影した記念碑の写真を貼っておきました。

 第二次大戦以前、英国支配下のマレー半島は、①ペナンマラッカシンガポールを中心とした直轄の海峡植民地、②スルタンを通じて間接統治を行うマレー連邦州(ペラ、スランゴール、ヌグリ・スンビラン、パハン)と、③マレー連邦への加盟を拒否したスルタンの非連邦州(ジョホールクランタンクダー、トレンガヌ)に分かれていました。

 第二次大戦中、これらの地域は日本軍に占領されましたが、戦後、日本軍が撤退すると英国は植民地支配の再開にあたって、シンガポールを除くマレー半島をすべてマラヤ連合として統合しようと考えます。このときのマラヤ連合の構想では、スルタンの権限を縮小し、各州に配置される英国人知事が行政を担当することになっていたほか、中国系やインド系を含むすべての人種に平等な市民権を与えるなどの方針となっていました。

 このため、人口的には多数派を占めていながら、経済的には少数派の華人の後塵を拝し続けてきたマレー人は、英国の提案した“平等”に猛反発。このため、一応、1946年にマラヤ連合は発足したものの、英国は翌1947年にマラヤ連合との間でマレー人の特権を認める連邦協定を結び、1948年にマラヤ連邦が発足します。その後、10年間の独立運動を経て、1957年8月31日にマラッカでマラヤ連邦の独立が正式に宣伝されました。

 この間、マラヤ共産党は、1948年2月にインド共産党主催でカルカッタで開かれた「東南アジア青年会議」を経て、同年3月、“革命武闘路線”を採択。港湾労働者や運輸労働者、工場にストライキを呼びかけ、同年のメーデーでデモ行進を行い、シンガポール政府と武力衝突を起こしました。これに対して、英植民地政府が組合指導者を追放すると、5月31日、共産党指導部は地下に潜行して武闘指令を発し、各地で欧州人の農園主や右派系の独立活動家等を殺害。このため、6月17日、英植民地政府はマレー全土に緊急事態を宣言し、翌7月23日には共産党と関連組織に活動禁止令を出し、1000人以上を逮捕しました。
 
 その後、ジャングルに潜伏した共産ゲリラは、多くの一般市民を巻き添えにしながら、反英闘争を継続。さらに、1957年の独立後、彼らはマレーシア国軍とも戦い、1960年の停戦まで、多くの若者が命を落としました。

 今回ご紹介の国家記念碑は、1948年以降の独立闘争の過程で、共産ゲリラとの戦いで亡くなった兵士たちの慰霊のために建てられたもので、高さ約15m のブロンズ像です。作者のフェリック・デ・ウェルトンは米アーリントンの硫黄島記念碑(合衆国海兵隊記念碑)の製作者で、マレーシア国旗を掲げ、勇敢に戦う7人の兵士の姿が表現されています。

 * 昨日のNHKラジオ第1放送、「切手でひも解く世界の歴史」は、無事、終了いたしました。お聞きいただきました皆様には、この場をお借りしてお礼申し上げます。次回放送は4月27日の予定ですので、引き続きよろしくお願いいたします。


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 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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