内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:モンゴル
2017-04-26 Wed 08:04
 ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2017年4月19日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はモンゴルの特集(2回目)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      モンゴル・国連加盟

 これは、モンゴルの国連加盟を記念して1962年に発行された切手で、国連旗とモンゴル国旗が並べて描かれています。

  モンゴル族の居住地域は、かつては帝政ロシアと清朝に分割されて支配され、清朝支配下の地域は、ゴビ砂漠をはさんで、それぞれ、南側が“内蒙古”(“蒙疆”とよばれることもある)、北側が“外蒙古”と呼ばれていました。

 1911年10月、滅満興漢をスローガンとする辛亥革命が起こり、1912年に中華民国が発足して清朝が滅亡。中華民国政府は、建前として“五民族(漢族、チベット族、満洲族、モンゴル族、ウイグル族)の“平等”を掲げていたものの、政治の中枢は漢族がほぼ独占するようになり、清朝の時代と比べて、満州族やモンゴル族の地位は大幅に後退しました。このため、モンゴル族はロシアの援助を受けて独立を宣言します。

 しかし、モンゴルの独立を認めない中華民国は、1919年、モンゴルに侵攻。ハーンとして即位したボグド・ハーンを退位させ、私邸に軟禁しました。これに対して、1921年、ソ連赤軍の支援を受けたモンゴル人民党(後にモンゴル人民革命党)のダムディン・スフバートルによる独立闘争の結果、モンゴルは再独立し、ボグド・ハーンは推戴されて皇帝に復位します。しかし、1924年4月、ボグド・ハーンが亡くなると、コミンテルンの指導を受けたモンゴル人民革命党は、同党による一党独裁の社会主義国を宣言。同年11月26日、ソ連の衛星国としてのモンゴル人民共和国が誕生しました。

 これに対して、中華民国はモンゴルを自国領として扱い、その独立を否認していましたが、第二次大戦末期の1945年6月、ソ連との外交交渉の際に「ソ連が日本撤退後の満洲を中国共産党に渡さず、かつ新疆の独立運動を鼓舞しないと約束するなら、抗日戦争勝利後に外蒙古が国民投票を経て独立することを認めてもよい」と主張し、1946年1月にはモンゴルの独立を承認したものの、国共内戦中に、ソ連は共産党を支持したため、台北遷都後の1953年、中華民国政府は中ソ友好同盟条約の正式な廃止を決定し、同時にモンゴルの独立承認も白紙に戻しています。一方、1949年10月1日に建国を宣言した中華人民共和国は、対ソ関係を考慮し、建国早々の同年10月16日、モンゴルと国交を樹立しています。

 こうしたこともあって、1955年、モンゴルなど東側5ヶ国と、日本など西側13ヶ国の国連加盟が安保理で一括協議された際、中華民国は、モンゴルの“領有権”を主張し、常任理事国として拒否権を発動。このため、ソ連は報復として日本の国連加盟に拒否権を発動しています。その後、日本は1956年に国連に加盟しましたが、モンゴルの加盟は1961年まで持ち越しとなりました。

 さて、『世界の切手コレクション』4月19日号の「世界の国々」では、モンゴル側から見たノモンハン事件についての長文コラムのほか、独裁者チョイバルサン、ハルハ・ブフ(モンゴル相撲)、タルボサウルス、馬頭琴の切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、今回のモンゴルの次は、本日発売の5月3日号でのヴェネズエラの特集(2回目)になります。こちらについては、発行日の5月3日以降、このブログでもご紹介する予定です。


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回 は27日! ★★★ 

 4月27日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第2回目が放送予定です。今回は、23日のフランス大統領選挙の第1回投票と5月7日の決選投票の間の放送ということで、フランスの初代大統領と切手についてのお話をする予定です。みなさま、よろしくお願いします。番組の詳細はこちらをご覧ください。


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