内藤陽介 Yosuke NAITO
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 G7サミット、きょう開幕
2017-05-26 Fri 12:29
 G7サミット=主要7か国の首脳会議“シチリア・サミット”が、きょう・あす(26・27日)、イタリア・シチリア島のタオルミーナで開催されます。というわけで、きょうはシチリア島関連のマテリアルの中から、この1点です。(画像はクリックで拡大されます)

      シチリア革命(1848)カバー

 これは、1849年3月21日、シチリア自由政府支配下のシチリア島メッシーナ県カストロレアーレから差し出された郵便物で、シチリアの紋章である“トリナクリア”の入った印が押されています。トリナクリアは、ギリシャ語の“3つの岬”に由来する語で、シチリア島のパレルモ、メッシーナ、シラクサの岬を意味するところから、シチリアの古称としても用いられます。紋章としては、ギリシャ神話のメデューサの顔を中心に、3つの岬を意味する3本の素足を組み合わせたデザインになっています。

 11世紀半ば、イタリア半島南部(現在のカンパニア州、カラブリア州、プッリャ州、アブルッツォ州、モリーゼ州、バジリカータ州とラツィオ州の一部)とシチリア島を征服したノルマン人は、1130年、シチリア王国(オートヴィル朝)を創建。オートヴィル朝は1194年に滅亡し、シチリア王国は神聖ローマ帝国のホーエンシュタウフェン家の支配下に置かれましたが(ホーエンシュタウフェン朝)、1281-1302年のシチリア晩祷戦争の結果、シチリア王国の版図はバルセロナ家の支配するシチリア島のトリナクリア王国 と、アンジュー家の支配する半島部のナポリ王国に分離されました。

 両王国は、いずれも、“シチリア王国”を自称していましたが、次第にシチリア王国と言えばシチリア島側のみを指すようになり、半島側は“ナポリ王国”の名が定着します。

 18世紀初頭のスペイン継承戦争を経て、ナポリ王国の版図はハプスブルク家の、シチリア島はサヴォイア家の支配下に置かれましたが、1720年、両者はシチリア島とサルデーニャ島を交換し、ナポリとシチリアはハプスブルク家の支配下に入ります。その後、1733-34年のポーランド継承戦争を経て、ナポリ王国とシチリア王国はスペイン・ブルボン家(ボルボン家)によって統治されることになりました。

 ナポレオン戦争の時代、ナポリ王国はフランスに占領され、ナポリ王(にしてシチリア王)のフェルディナンドはシチリア島に退避しましたが、ナポレオンの失脚後、1815年6月にナポリに帰還。翌1816年12月、フェルディナンドはナポリとシチリアを“両シチリア王国”の名の下に合併します。これに伴い、フェルディナンドは、“ナポリ王フェルディナンド4世”と“シチリア王フェルディナンド3世”のふたつの称号をまとめて“両シチリア王フェルディナンド1世”と称することになりました。

 1830年、20歳で即位したフェルディナンド2世は、当初、自由主義に理解のある開明的な君主として知られていましたが、1837年、シチリアで大規模な立憲君主制移行を求めるデモが発生すると態度を硬化させ、これを武力で鎮圧。その後も、憲法の制定と立憲君主制への移行を求める自由主義者と対立し、国王親政を主張し続けました。

 こうした状況の下、1847年9月、カラブリアとメッシーナでの反国王の大暴動が発生。さらに、1848年1月12日、シチリア全土で農民反乱が発生し。騒乱はイタリア本土にも波及したため、国王は1848年憲法の制定を認め、両シチリア王国では立憲君主制が実施されることになりました。ところが、国王は議会に対する監督権を手放さなかったため、再び暴動が発生。これに対して、国王は軍を動員して徹底的に弾圧し、1849年3月13日、国民議会を解散します。

 この間、1848年4月13日にはシチリア島で自由政府の樹立と独立宣言が行われましたが、国王は2万の兵を動員してこれを徹底的に弾圧。海沿いの町は軍艦からの砲撃により焦土と化し、1849年5月15日までに、シチリア島の自由主義革命は鎮圧されました。
 
 その後、1860年、イタリア統一戦争の過程で、両シチリア王国はジュゼッペ・ガリバルディひきいる千人隊が占領して、サルデーニャ王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に献上。翌1861年に成立したイタリア王国に統合されることになります。


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回 は1日! ★★★ 

 6月1日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第3回目が放送予定です。今回は、5月26-27日にG7サミットが行われるシチリアにスポットを当ててお話をする予定です。みなさま、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。

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 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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