内藤陽介 Yosuke NAITO
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 南スーダンPKO、陸自撤退完了
2017-05-27 Sat 12:02
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加していた陸上自衛隊部隊のうち、最後まで現地に残っていた田中仁朗隊長を含む11次隊の約40人が、けさ(27日)、帰国しました。2012年に始まった南スーダンPKOでは、延べ3854人の自衛隊員が派遣されて道路や公共施設などのインフラの整備にあたり、整備した道路の距離は250kmに及ぶなど国づくりに貢献しました。関係者の皆様、長い間、お疲れさまでした。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      南スーダン・独立1周年

 これは、2012年7月9日に発行された“南スーダン独立1周年”の記念切手です。

 1881-99年にエジプトの南に存在していたマフディー王国は、現在のスーダンと南スーダンをあわせた地域にほぼ相当していました。1899年、マフディー王国は滅亡し、その領域は“スーダン”としてエジプトと英国の両国による共同統治下に置かれます。英埃領スーダン内部では、イスラム・アラブ系・アラビア語を中心とする北部と、アニミズム・キリスト教・アフリカ系・英語を中心とする南部の相違が大きかったこともあり、1924年以降は南北分割統治が行われます。その際、マラリアなどの予防の名目で北緯8度以北の者が南へ、同10度以南の者が北に行くことはどちらも違法とされたことなども、南北の分裂を加速することになりました。

 第二次大戦後、植民地再編の過程で、スーダン南部を支配していた英国は南部スーダンとウガンダの統合を望みましたが、1947年のジュバ会議で南北スーダンの統合が決められ、1954年の自治政府発足を経て、1956年1月1日、旧スーダン国家が独立します。しかし、1955年以降、南北の内戦が勃発。以後、石油利権や民族問題をめぐって2度の内戦がおこり、計約200万人が死亡。2005年にようやく和平協定が結ばれました。

 和平協定では、6年間の北部と南部の合体による暫定統一政権の下、南部に自治政府を設置したうえで、5年後の暫定統一政権の首長(大統領)選挙、6年後に南部の独立の是非を問う住民投票を行うこととされていたため、これに従って、2011年1月、南スーダンの独立の是非を問う住民投票が国際監視下で実施され、独立賛成派が98.83%もの圧倒的多数を獲得。同年7月9日、南部が“南スーダン共和国”として独立しました。

 これに先立ち、独立前日の7月8日、国連安保理決議1996が採択され、南スーダンの平和維持活動を担う国際連合南スーダン派遣団(国連南スーダン共和国ミッション、UNMISS)が現地で活動を開始。同年11月に日本はUNMISSに司令部要員を派遣し、翌2012年1月からは自衛隊施設部隊も派遣されました。

 南スーダンの独立により、旧スーダンでの南北対立は収束したものの、こんどは南スーダン内での抗争が勃発。特に、2013年7月、初代大統領のサルバ・キール・マヤルディが、副大統領のリエック・マチャルを含む与党スーダン人民解放運動(SPLM)の主要幹部を一斉に解任する内閣改造を行ったことで、キール派とマチャル派の亀裂は決定的となりました。そして、同年12月14日、首都ジュバでスーダン人民解放軍の一部と大統領警護隊が衝突。これに部族対立が絡んで、500人余の死者が出る流血事件となりました。

 首都の騒乱は間もなく鎮圧され、キールは首都ジュバを掌握することに成功したものの、逆に、地方ではマチャルを担いだ反乱が頻発する状況が続きます。その後、2015年8月、国際社会の調停の下で「南スーダンにおける衝突の解決に関する合意文書」が両関係当事者によって署名されたことを受け、翌2016年4月には、キールがマチャルを第一副大統領に就任させるなど、南スーダンの内戦は終結に向かうかと思われました。

 しかし、キール派とマチャル派の相互不信の根は深く、2016年7月、キール派の正規軍とマチャル派の武装勢力との間で銃撃戦が発生。これを機に再燃した内戦は、現在も続いています。


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 6月1日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第3回目が放送予定です。今回は、5月26-27日にG7サミットが行われるシチリアにスポットを当ててお話をする予定です。みなさま、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。

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