内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:タジキスタン
2017-06-07 Wed 09:03
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2017年5月31日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はタジキスタンの特集(2回目)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      タジキスタン・戦勝50年

 これは、1995年にタジキスタンで発行された“戦勝50周年”の記念切手シートです。

 1924年、ソ連中央政府は中央アジアを民族別の共和国に分割する「民族境界区分」を画定。これに伴い、“中央アジアのイラン系言語(タジク語)を用いる定住民”を“タジク人”とする定義が採用され、タジク人の民族共和国として、ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国内にタジク・ソヴィエト社会主義自治共和国が設定されました。ただし、境界画定の過程で、タジク人には十分な発言権を与えられず、タジク人が数多く居住するブハラ、サマルカンド、フェルガナ盆地はウズベク領となり、タジク人は歴史的領域の重要部分を失うことになります。

 タジク・ソヴィエト社会主義自治共和国は、1929年、タジク・ソヴィエト社会主義共和国に昇格。1939年には同共和国でも徴兵制も実施されました。

 1941年に独ソ戦が勃発すると、多くのタジク兵が出征。1945年の終戦までのタジク人戦死者は6-12万人と推定されています。今回ご紹介の戦勝50年記念の切手シートは、独立後の1995年に発行されたもので、戦車を組み込んだ戦勝記念碑を描く5000ルーヴル切手が収められています。なお、シート余白の“ソヴィエトの”を意味するロシア語の単語は“СОВЕТСКОГО”が正しいのですが、今回ご紹介のモノは“СОВТСКОГО”となっており“Е”が抜けたスペル・ミスとなっています。その後、スペル・ミスの切手は回収され、正しいスペルのモノが改めて発行されましたが、市場価値としては、どちらも特にお宝というほどのものではありません。

 さて、『世界の切手コレクション』5月31日号の「世界の国々」では、民族としての“タジク人”についての長文コラムのほか、現地の農業、古典文学の『シャー・ナーメ』、ホジェンド(フジャンドとも)旧市街のシャイフ・ムスリヒディーン・モスク、フェルガナ盆地のブドウの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、今回のタジキスタンの次は、5月31日発売の6月7日号でのチリの特集(2回目)になります。こちらについては、近々、このブログでもご紹介する予定です。
      
 
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 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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