内藤陽介 Yosuke NAITO
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 カナダ×香港×返還
2017-07-01 Sat 16:46
 1997年7月1日に香港の主権が英国から中華人民共和国へ返還・再譲渡されてから、今日でちょうど20周年です。で、ことしは1867年7月1日にカナダ自治領が発足し、現在のカナダが建国されてから150周年ということでもありますので、カナダと香港と返還(return)の三題噺で、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      カナダ・香港宛捕虜郵便(返戻便)

 これは、第二次大戦中、カナダから香港・赤柱に抑留されていた英国籍の民間人宛の郵便物で、郵便物取扱停止のため差出人戻しになったことを示す“NO SERVICE/ RETURN TO SENDER”の角印が、カナダのメータースタンプの上に押されています。

 日英開戦後の1941年12月25日、英領香港を占領した日本軍は香港各地に収容所を設置。香港島の七姉妹道、深水埗、九龍の亜皆老街の3ヵ所にカナダ軍を含む英連邦軍の捕虜を、香港島南東部の赤柱(スタンレー)に香港政庁の文官、一般市民などを、そして九龍の馬頭涌道にインド国籍の兵士を、それぞれ収容していました。

 ちなみに、当時の香港にカナダ軍がいたのは、日英開戦直前の1941年11月16日、日本の香港進攻に備えて、カナダから派遣された旅団司令部、通信中隊、歩兵二個大隊が香港に到着し、英領バルバドスから赴任してきたばかりの新総督マーク・ヤングの下に合計1万2000名からなる香港防衛軍が編成されていたためです。

 今回ご紹介のカバーの宛先となった赤柱の収容所は1942年1月に開設されました。終戦翌日の1945年8月16日に解放されるまでの間、2800人が収容されており、そのうち英国籍の収容者が2325人から2514人と圧倒的多数を占めていました。なお、その内訳は成人男性1370人、同女性858人、16歳以下の少年が286人(うち、4歳以下の乳幼児が99人)という構成になっていました。また、収容所で亡くなったのは121人ですが、その大半は病死で、死者の半数は50歳以上でした。ただし、1945年1月16日の米軍の空襲で亡くなった人も14人います。

 なお、第二次大戦中の香港と郵便については、拙著『香港歴史漫郵記』でもいろいろご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。また、香港01には「郵票和明信片中的『三年零八個月』」と題して、拙著の内容を紹介する中文記事もアップされていますので、宜しかったら、こちらも併せてご覧ください。


 ★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月15-17日(土ー月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにオーストラリア切手展が開催されます。詳細は、主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2017ポスター

 *画像は全日展実行委員会が制作したチラシです。クリックで拡大してご覧ください。

 ことしは、香港“返還”20周年ということで、内藤も昨年(2016年)、ニューヨークの世界切手展<NEW YORK 2016>で金賞を受賞した“A History of Hong Kong(香港の歴史)”をチャンピオンクラスに出品します。よろしかったら、ぜひ会場にてご覧ください。


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★ 

  6月29日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第5回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、大相撲があるため、少し間が開いて7月27日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、29日放送分につきましては、放送から1週間、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。

 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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