内藤陽介 Yosuke NAITO
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 “七七事変”80周年
2017-07-07 Fri 11:02
 いわゆる日中戦争(支那事変)の発端となった1937年7月7日の盧溝橋事件(中国語の呼称は日附に由来する七七事変)から、きょうで80周年です。ということで、ストレートにこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      旅大・七七抗戦紀念(15円)

 これは、1946年7月7日、ソ連占領下の旅大地区(旧関東州)で発行された“七七抗戦紀念”の切手3種のうちの1枚です。

 第2次大戦末期のヤルタ会談では、米英ソ三国の間で、①外蒙古の現状維持=モンゴルの独立承認、②大連港の国際化とソ連の海軍基地としての旅順口の租借権回復、③中ソ合同会社の設立による東支鉄道と南満洲鉄道の共同運営、④満洲における国府の完全な主権の保持とソ連の優先的利益の擁護、が秘密協定として決められていました。

 1945年8月9日、日本に対して宣戦布告し、満洲への侵攻を開始したソ連は、8月14日、中国国民政府との間に、①対日戦遂行に関する相互援助(降伏文書の調印によって戦闘が正式に停止となるのは9月2日のことで、この時点では戦争は継続中です)、②単独不休戦・不講和、③日本の再侵略を防止するためのあらゆる措置の共同での行使、④相互の主権と領土保全の尊重などを規定した中ソ友好同盟条約を調印(同24日から発効)。さらに、条約本文とあわせて、ソヴィエト政府が中華民国に対する援助を(すべて中華民国の中央政府たる国民政府にたいして)与えることを誓約した交換公文、長春鉄道に関する協定、旅順口に関する協定、東三省に関する協定などが中ソ両国の間で調印されました。この結果、ソ連はヤルタの密約を国府に認めさせることに成功します。

 これを受けて、ソ連の占領下に置かれた旅大地区には、ソ連軍が旧満洲で接収した切手が持ち込まれ、現地で接収された日本切手とともに、さまざまな加刷を施して使用されています。

 今日ご紹介している切手もその一例で、盧溝橋事件9周年にあたる1946年7月7日に“七七”の日付と“抗戦紀念”の文字が加刷されています。占領当局としては、日本支配の痕跡を払拭し、旅大地区が日本の支配から“解放”されたことをアピールするため、“抗日戦争”の意義を強調するような加刷を行ったものと考えて良いでしょう。

 なお、こうした旅大地区の終戦直後の郵便事情については、拙著『満洲切手』でも簡単にではありますが、まとめてみたことがあります。ご興味をお持ちの方は、是非、ご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月15-17日(土ー月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにオーストラリア切手展が開催されます。詳細は、主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2017ポスター

 *画像は全日展実行委員会が制作したチラシです。クリックで拡大してご覧ください。

 ことしは、香港“返還”20周年ということで、内藤も昨年(2016年)、ニューヨークの世界切手展<NEW YORK 2016>で金賞を受賞した“A History of Hong Kong(香港の歴史)”をチャンピオンクラスに出品します。よろしかったら、ぜひ会場にてご覧ください。


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      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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