内藤陽介 Yosuke NAITO
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 全日展、本日最終日です!
2017-07-17 Mon 06:36
 はやいもので、15日から、東京・錦糸町のすみだ産業会館で開催中の全日本切手展2017(以下、全日展)は本日が最終日となりました。今回は、特別展示の菊切手、併催のオーストラリア切手展とともに、乃木2銭切手発行80周年にちなみ、郵政博物館のご協力も得て、乃木2銭切手の特別展示も行っています。というわけで、きょうはその展示の中から、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      乃木2銭原画  1次昭和・乃木2銭

 左は、今回の全一店会場に展示している乃木2銭切手の原画で、郵政博物館の所蔵品です。実際に発行された切手は右側のように紅赤色で、原画の色合いは、むしろ、東郷4銭の切手に近い雰囲気です。

 1935年7月、逓信省は、1912年以来使われてきた田沢型切手がオールドファッションになっていたことを踏まえ、1936年中をめどに、風景や人物などを題材とする新切手を発行する方針を決定します。しかし、そのための実務作業は遅れ、“改正郵便切手圖案審査委員会”の第1回会合が開催されたのは、1937年3月27日のことでした。すでに、4日後の4月1日から、郵便料金が改正され、書状の基本料金が3銭から4銭に、葉書料金が1銭5厘から2銭に、それぞれ値上げされることが決まっていたため、委員会では、まず、2銭・4銭切手ならびに新額面の葉書の印面の図案の審議が行われました。

 会議の席上、郵務局長から、4銭切手の図案は東郷元帥、2銭切手の図案は乃木大将、葉書の印面は楠公銅像とする方針が説明され、討議が行われました。その際、東郷元帥の肖像については、出席した委員からいろいろとクレームが出たものの、乃木大将の肖像については、殉死当日の写真を使用することですんなりと決定しています。

 切手のデザインは、当時のドイツの通常切手(大統領ヒンデンブルクの肖像が描かれていました)にならい白線彫刻で肖像を表現したもので、1945年まで発行・使用が続けられました。初期の切手は紅赤色に白線がくっきりと浮かび上がる美しい切手でしたが、太平洋戦争の開戦後は次第に切手の品質も劣化し、末期には、肖像がほとんど潰れてしまった幽霊のような切手も出回っています。

 さて、今回の全日展の特別展示では、“乃木バカ”の愛称で親しまれている児玉博昭さんの専門コレクションと、郵政博物館所蔵資料として、今回ご紹介の原画、プラハ万博に出品された原版刷、乃木2銭切手の最大の稀品とされる朱色の単線12目打のシートを展示しております。乃木2銭切手の展示としては、質量ともに空前絶後の規模になったと自負しておりますので、ぜひ、この機会をお見逃しなく、会場にてご覧いただけると幸いです。

 * 昨日の内藤の展示解説は、無事、盛況のうちに終了いたしました。ご参加いただきました皆様には、この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。


 ★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月15-17日(土ー月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにオーストラリア切手展が開催されます。詳細は、主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2017ポスター

 *画像は全日展実行委員会が制作したチラシです。クリックで拡大してご覧ください。

 ことしは、香港“返還”20周年ということで、内藤も昨年(2016年)、ニューヨークの世界切手展<NEW YORK 2016>で金賞を受賞した“A History of Hong Kong(香港の歴史)”をチャンピオンクラスに出品します。よろしかったら、ぜひ会場にてご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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