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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:ウルグアイ
2017-07-21 Fri 15:04
 ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2017年7月19日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はウルグアイの特集(2回目)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ウルグアイ・1931年切手展

 これは、1931年4月に開催のモンテヴィデオ切手展に際して、会場内限定で発売された小型シートで、ウルグアイ最初の切手(ただし、額面は発行当時のものに変更されています)が田型で収められています。

 ウルグアイ最初の切手は、郵便事業の責任者だったアタナシオ・ラピドにより、1856年10月1日に発行されました。

 当時のウルグアイ国内では、旅客・貨物の長距離輸送には、民間の馬車が用いられていました。このため、1856年の切手は、国旗・国章にも描かれた太陽を中央に大きく描き、上部に“(乗合)馬車”を意味する“DILIGENCIA”の表示を入れたデザインでした。切手には、60センタヴォ(青色)、80センタヴォ(緑色)、1レアル(=120センタヴォ。赤色)の3種があり、石版印刷で1シートは7×5の35面構成。モンテヴィデオのメージュ・イ・ウィレムス印刷会社で製造されています。

 同社では、最初に60センタヴォ切手を製造し、ついで、額面部分を差し換えて80センタヴォ切手を、さらに額面部分を変えて1レアル切手を製造しました。当初の製造枚数は、2-3000枚程度と推定されています。

 ちなみに、当時のウルグアイの郵便料金は、4アダルメ(アダルメは当時のウルグアイで用いられていた重量の単位で、6アダルメ=1オンス=28.7 グラム)以下が60センテシモで、2倍の重量便が80センテシモ、3倍重量便が1レアル(=100センテシモ)dした。

 また、切手が発行された1856年10月の時点では、各地の郵便局には消印が配備されていなかったため、再使用を防ぐ手段としては担当者がペンで切手を抹消しましたが、そうした抹消なしに届けられた郵便物も少なくありません。

 1857年も後半になると、60センタヴォ切手の在庫が底をつき始めますが、最初の印刷に使用した版は摩耗が激しかったため、新たな版が作られます。この第2版の切手は1857年10月1日に発行されましたが、“DILIGENCIA”の文字が異なっているほか、太陽の光線が105本から67本に減らされているなどの相違点があるため、初版の切手との区別は難しくありません

 さて、『世界の切手コレクション』7月19日号の「世界の国々」では、ウルグアイ初期の切手についての長文コラムのほか、ウルグアイを代表する後期印象派の画家ペドロ・フィガリ絵画、リオ・ネグロ産のキャビア、タンゴ史上最高の歌手の一人とされるフリオ・ソーサの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、今回のウルグアイの次は、来週26日発売の8月2日号でのタンザニアの特集になります。こちらについては、発行日の8月2日以降、このブログでもご紹介する予定です。 


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  次回は27日!★★★ 

 7月27日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第6回が放送予定です。今回は、8月4日の世界陸上開幕に先立ち、サニブラウン選手応援企画でガーナにスポットを当ててお話をする予定です。みなさま、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


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