内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ユダヤ新年
2017-09-21 Thu 07:09
 きのう(20日)の日没をもって、ユダヤ暦5778年の“ローシュ・ハッシャーナー”(新年。直訳すると“年の頭”の意)となりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      イスラエル・年賀(2001・軍人)

 これは、2001年9月3日に発行された“年賀切手”の1枚です。2001年のイスラエルの年賀切手は、ハイム・シュタイヤーの年賀絵葉書コレクションから題材を選んで6種セットで発行されました。今回ご紹介の切手の元になった年賀絵葉書は、鳩とオリーヴに兵士を組み合わせることで“平和と安全”を表現しているとのことですが、タブに“Happy New Year”となければ、年賀切手とはわかりづらいかもしれません。

 古代ユダヤには、春から1年が始まる宗教暦と秋から1年が始まる政治暦が併存していました。政治暦は旧約聖書・レビ記23章24節に「第七の月の一日は安息の日として守り、角笛を吹き鳴らして記念し、聖なる集会の日としなさい」とあるのを根拠として、宗教暦の7月1日から始まります。ただし、ユダヤ暦は太陰暦ですので、毎年、新年の日付は異なります。また、ユダヤ暦の紀元は、ユダヤ教において神が世界を創世した日を西暦に換算したとして、紀元前3761年10月7日とされています。

 さて、第一次大戦以前から、パレスチナに移住したユダヤ系移民は自分たちの定住地で自警団を組織していました。英国によるパレスチナ統治が始まると、ユダヤ系移民の急増に反発するアラブの暴動が発生したため、1920年6月、各地の自警団を統括する民兵組織として“ハガナー”が結成され、英軍による指導・訓練を受けました。また、第二次世界大戦中の1944年5月には、ナチスに対抗するために、英陸軍内にユダヤ旅団が編成され、5000人以上のユダヤ人志願兵が軍事訓練を受け、イタリア戦線に投入されました。

 1948年5月14日、英国によるパレスチナの委任統治が終了し、イスラエルが独立宣言を行うと、これを認めない周辺アラブ諸国がイスラエルに対して宣戦を布告し、第一次中東戦争が勃発します。しかし、この時点では、新生イスラエル国家には正規の国軍は存在しなかったため、5月26日付で臨時政府政令4号が発せられ、国防大臣の下にユダヤ人各武装勢力が集結・統合されることになりました。その結果、最大武装勢力であったハガナー(パルマッハ含む)を基盤に指揮系統等が再編され、5月31日以降、イスラエル国防軍として本格的に活動を開始します。

 第一次中東戦争後は、地下組織だったエツェルおよびレヒも国防軍に参加。以後、イスラエル国防軍はアラブ諸国との戦争をとおして近代化と効率化を進め、世界で最も練度の高い軍隊の一つに成長しました。

 なお、イスラエル建国後のイスラエル国防軍が周辺アラブ諸国・組織とどのように戦ってきたかについては、拙著『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』でも詳しくまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。

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