内藤陽介 Yosuke NAITO
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 “殺された”国王
2017-09-27 Wed 18:31
 ノルウェー最大級の通信社NTBが、きのう(26日)、「国王のハーラル5世が崩御」という誤報を各報道機関に送信。NTBはすぐに誤報を謝罪するという騒動がありました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・国王在位25年

 これは、昨年(2016年)1月11日、ノルウェーで発行された“国王ハーラル5世在位25周年”の記念切手です。

 ハーラル5世は、1937年、オーラヴ王太子(当時)とマッタ妃の第3子として生まれました。

 第二次世界大戦中、ノルウェーはナチス・ドイツに国土を占領され、当時の国王ホーコン7世(ハーラル5世の祖父)とオーラヴ王太子はロンドンに亡命政府を樹立し、レジスタンスを指導しました。一方、幼いハーラルと母、姉妹たちはスウェーデンに亡命しましたが、ノルウェー本国では親独ヴィドクン・クヴィスリング政権がホーコン7世を廃位してハーラルを即位させようと画策。スウェーデン国内にもそれに同調する動きがあったため、母子は米国まで再亡命し、1945年までワシントンDCで過ごしました。

 1957年9月21日、ホーコン7世の崩御により父のオーラヴ5世が即位すると、20歳で王太子となり、オスロ大学で学んだ後、兵役終了とともにオックスフォード大学ベリオール・カレッジに留学しました。

 ソニア王妃との結婚は1968年8月29日のことでしたが、王妃が平民(デパート経営者の娘)であったことから、政府と王室には慎重論が強く、2人の交際期間は9年にも及びました。この間、1959年に民間出身の皇太子妃を迎えた日本の皇室を先例として、関係者は協議を重ねたそうです。また、皇太子時代にはヨットの選手として、東京・メキシコ・ミュンヘンの3度の五輪に出場しています。

 1991年1月17日、オーラヴ5世の死去により、ノルウェー国王として即位。6月23日、トロンハイムのニーダロス大聖堂で戴冠式が行なわれました。今回ご紹介の切手には、その時のようすが取り上げられています。

 さて、国王は現在80歳の高齢で、2003年には膀胱癌の手術を受けています。こうしたこともあって、NTBは万一の場合に備えて「ノルウェーは悲しみに包まれている。国王ハーラル5世が崩御。XX歳。王はXXXX(日付)(自宅にて、病院にてなど) 時間XXX」との見出しをデータとして用意していたわけですが、今回は、それが単純な技術的ミスで一斉送信されてしまったのだとか。あらためて、電子メールが主流となった現在ならではの情報管理の重要性を痛感させられますね。


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