内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 ブエノスアイレスに向かいます!
2017-10-20 Fri 11:51
 私事で恐縮ですが、ブラジル・ブラジリアで開催される世界切手展<Brasilia 2017>に出品者およびコミッショナーとして参加するため、昨晩出国し、現在、カタールのドーハ空港にいます。これから、経由地のブエノスアイレス(アルゼンチン)に向かい、ブラジルには22日に入国の予定です。というわけで、まずは次の経由地、ブエノスアイレス宛のマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      トランスヨルダン・強制貼付切手カバー(ブエノスアイレス宛)

 これは、第一次中東戦争勃発後の1948年8月、トランスヨルダンの首都、アンマンからアルゼンチン・ブエノスアイレス宛の書留便で、岩のドームを描く強制貼付切手が貼られています。

 1945年に結成されたアラブ連盟は、加盟国間の思惑がさまざまに異なる同床異夢の組織でした。このため、英委任統治下のパレスチナで、シオニストとアラブの対立が激化し、生命・財産の危機にさらされているパレスチナの“アラブ同胞”を救済しようと主張することは、各国の立場の違いを超えて広く賛同を得られる数少ないトピックの一つでした。

 このため、アラブ連盟は加盟各国に対して、パレスチナ救済のための義捐金を集めることを要請。そのための一手段として、トランスヨルダン政府は、1946年7月22日、強制貼付切手の発行を可能にする法改正を行ったうえで、パレスチナの風景を描く強制貼付切手の製造を発行し、郵便料金の半額相当の強制貼付切手を郵便物に貼ることを利用者に義務づけました。

 トランスヨルダンの強制貼付切手は、1ミリームから1ポンド(=1000ミリーム)までの12額面があり、英国のトマス・デ・ラ・ルー社製で、デザイナーのヤークーブ・スッカルが図案を制作しました。このうち、中額面の10、15、20、50ミリーム切手がエルサレムの岩のドームを取り上げています。 

 今回ご紹介のカバーは、そうした強制貼付切手の適正使用例で、南米宛の外信書留便の料金140ミリームに対して、半額の70ミリーム相当の強制貼付切手(いずれも岩のドームを描くもの)が貼られています。また、カバー左下には、トランスヨルダン当局による六角形の検閲印が押されています。なお、トランスヨルダンの強制貼付切手については、拙著『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 さて、今回の切手展ですが、会期は24日からなのですが、作品を搬入しなければなりませんので、22日にブラジリアに入る必要があります。ブラジリア行きの経路はいろいろ考えられるのですが、今回は、本業である文筆業の取材も兼ねてブエノスアイレス経由としましたので、少し早目の出発となりました。なお、展覧会の会期は29日までで、作品をピックアップした後、現地時間の30日にブラジルを出国し、11月1日に帰国の予定です。

 今回の旅行期間中も、ノートパソコンを持っていきますので、このブログも可能な限り更新していく予定です。ただ、なにぶんにも海外のことですので、無事、メール・ネット環境に接続できるかどうか、不安がないわけではありません。場合によっては、諸般の事情で、記事の更新が遅れたり、記事が書けなかったりする可能性もありますが、ご容赦ください。


★★★ トークイベントのご案内  ★★★ 

 11月4日(土) 12:30より、東京・浅草で開催の全国切手展<JAPEX>会場内で、拙著『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』刊行記念のトークイベントを予定しております。よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。なお、詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。


★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★

 10月19日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第10回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、11月9日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、19日放送分につきましては、10月26日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。


★★★ 世界切手展<WSC Israel 2018>作品募集中! ★★★

  明年(2018年)5月27日から31日まで、エルサレムの国際会議場でFIP(国際郵趣連盟)認定の世界切手展<WSC Israel 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不詳・内藤がお引き受けすることになりました。

 現在、出品作品を11月10日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、待ちしております。


★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

スポンサーサイト

別窓 | ヨルダン | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< ブエノスアイレスに来ています! | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  切手でひも解く世界の歴史(10) >>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/