内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ベイスターズが日本シリーズ進出
2017-10-25 Wed 02:03
 プロ野球セントラル・リーグは、昨日(24日)、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでリーグ戦3位の横浜DeNAベイスターズがリーグ優勝の広島東洋カープを4連勝で下し、19年ぶりの日本シリーズ進出を決めました。というわけで、ベイ(湾)とスター(星)が両方描かれたマテリアルの中から、こんなモノを持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・1896年葉書

 これは、1896年にブラジルで発行された外信葉書で、印面および余白部分の双方に、星空のグアナバラ湾とポン・ヂ・アスーカルが描かれています。
 
 1498年、ヴァスコ・ダ・ガマのポルトガル艦隊がインド航路を開拓したことを受けて、ポルトガル王マヌエル1世は、1500年2月15日、ペドロ・アルヴァレス・カブラルを長とする第2次インド遠征隊を派遣しました。ところが、カブラルの艦隊は予定の航路を大きく外れてブラジルに漂着。これが、ヨーロッパ人によるブラジルの“発見”と言われている出来事となりました。

 続いて、1502年1月、ガスパール・デ・レモス率いるポルトガルの艦隊が、今度は明確に南米大陸を目指す意図をもってブラジルに到達します。一行が到達したグアナバラ湾は、湾口がぐっと狭まっているため、彼らはここを川と勘違いし、到着したのが1月だったことから、一帯を“1月の川”、すなわちリオ・デ・ジャネイロと命名しました。

 グアナバラ湾は面積400平方キロ、周囲143キロの大きな入り江で、湾内には国際空港のあるゴベルナドール島や観光地パケター島など113の島があるものの、その入り口の幅はわずか1.5キロほどしかありません。

 湾内とその周辺には、気の遠くなるような年月をかけて浸食された巨大な奇岩がところどころにそびえ立ち、独特の景観を作り出しており、その佳景を評して、カリオカ(リオ市の住民もしくは出身者)は「神は7日で世界を創りたもうた。そのうち、リオだけに2日を費やされた」と誇らしげに語っています。

 そうしたリオの景観の中でも、我々日本人にとっての富士山と同じように、特別な意味を持つシンボルとなっているのが、湾口西側の岬にそそり立つ標高335メートルの円錐状の岩山、ポン・ヂ・アスーカルです。

 ポン・ヂ・アスーカルは、直訳すると、ポルトガル語で“砂糖パン”の意味。もともと、この岩山は先住民トゥピ・グアラニー族の言葉で“尖った山”を意味する“ポウンドアスカ”と呼ばれていましたが、ポルトガル人がそれを自分たちになじみの深い単語の“ポン・ヂ・アスーカル”と聞き間違えたのが現在の名前の由来とされています。ちなみに、英語では、砂糖の塊を意味する“シュガー・ローフ”の名で呼ばれることも多いです。

 かつての米国への移民にとっての自由の女神がそうだったように、グアナバラ湾の入口にそびえ立つポン・ヂ・アスーカルは、長い船旅の後、船客たちがリオにたどり着いたことを実感するための標識でもありました。

 こうしたことを踏まえ、1889年11月15日の軍事クーデターで皇帝ドン・ペドロ2世が廃位され、帝政から共和制に移行すると、ブラジルの葉書のフォーマットとして、上部の装飾にブラジルの象徴としてのポン・ヂ・アスーカルを大きく描き、共和革命を示す“1889年11月15日”の日付が右下に入るようになりました。このスタイルの葉書には、印面に女神が描かれたモノなどもあるのですが、今回ご紹介の葉書は、印面もまた、星空のポン・ヂ・アスーカルになっています。

 なお、ポン・ヂ・アスーカルとリオデジャネイロについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でも、関連する切手・絵葉書を交えながら詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★

 10月19日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第10回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、11月9日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、19日放送分につきましては、10月26日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。


★★★ 世界切手展<WSC Israel 2018>作品募集中! ★★★

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