内藤陽介 Yosuke NAITO
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 『郵趣』今月の表紙:シドニー・ヴュー
2006-08-26 Sat 07:10
 (財)日本郵趣協会の機関誌『郵趣』9月号ができあがりました。

 『郵趣』では、毎月、表紙に“名品”と評判の高い切手を取り上げていて、僕が簡単な解説文をつけていますが、今月は、この1枚を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

シドニービュー

 これは、1901年に現在のオーストラリア連邦が結成される以前のオーストラリアのひとつ、ニュー・サウス・ウェールズ(現在は同名の州)の最初の切手で、そのデザインからシドニー・ヴューと呼ばれています。

 ニュー・サウス・ウェールズは、オーストラリアの中でもヨーロッパ人が最初に入植した土地で、はやくも1803年にはシドニー=パラマタ間の郵便サービスが開始されました。このときの郵便料金は2ペンスです。

 1838年、当時の郵便局長ジェイムズ・レイモンドは郵便料金前納の印面がついた封筒を発行しました。ペニー・ブラックが発行される2年前のことです。この封筒が上手くいけば、1841年にはニュー・サウス・ウェールズでも本国並みの近代郵便制度が導入される計画でしたが、残念ながら封筒は不評で、本格的な切手の発行は見送られました。

 その後、1842年にはメルボルン=シドニー間を蒸気船で結ぶ定期便がスタートし、1844年には英本国からの郵便船も到着するようになりました。シドニー・ヴューは、こうした前史をふまえて、1850年1月1日、この地の最初の切手として発行されたのです。

 切手は現地製で、入植者のシドニー港への上陸風景が描くものですが、船やミツバチの巣、釣竿なども描かれています。無味乾燥な紋章や肖像図案が主流だった時代にあっては異彩を放つモノといえましょう。ただし、1年後の1851年にはヴィクトリア女王の肖像を描く切手が発行されてしまったため、この魅力的な切手は短命に終わってしまうのですが…。

 なお、今月号の『郵趣』では、遅ればせながら、ワシントンで開かれた国際展Washington 2006について、僕が簡単なレポートを書いていますので、よろしかったら、そちらもご覧いただけると幸いです。
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この記事のコメント
#287 質問
釣竿を持った女性の手の後ろにいるのが、
クマとそれに捕らえられたウサギに見えるんですが、
何なんでしょうか
v-236
2006-08-27 Sun 00:31 | URL | プー #cxq3sgh.[ 内容変更] | ∧top | under∨
 プー様
 僕は、人間と家畜(荷物を運んでいる、もしくは、耕作に使われている馬?)だと思っていたのですが…。ちょっと詳しく調べてみますので、しばらく時間をください。
2006-08-28 Mon 10:42 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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