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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 隠れパイナップル切手
2018-01-19 Fri 17:41
 ポルトガルとスペインの警察は、17日、リスボンの港でパイナップルの中に詰められたコカインおよそ745キロを押収するとともに、密輸組織のメンバー9人を逮捕したと発表しました。というわけで、パイナップル関連の切手の中からこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ジャマイカ最初の切手  ジャマイカ・パイナップル透かし

 これは、1860年11月23日に発行されたジャマイカ最初の切手で、パイナップルの透かし(右の画像)が入った用紙に印刷されています。

 1670年、マドリード条約によってジャマイカを領有した英国は、早くも翌1671年10月31日、ガブリエル・マーティンを初代局長として郵便局を開設し、スパニッシュタウンのセント・ジャゴとパッセージ・フォート間での郵便輸送を開始しました。ただし、初期の頃の郵便経営は不安定で、植民地政府による郵便事業が確立するのは1720年のことでした。

 1858年5月8日にはキングストン局で英本国切手の使用が始まり、同年11月には島内の他の局にも本国切手が配給されるようになります。

 こうした経緯を経て、1860年5月、ジャマイカの植民地当局はロンドンのトマス・デ・ラ・ルー社製に切手の製造を発注します。その際、偽造防止の観点から、ジャマイカ当局は透かし入りの用紙に切手を印刷するよう強く要望しました。ただし、ジャマイカ当局が透かしのデザインについてデ・ラ・ルー社に対して何か希望を述べた記録はなく、他の英領植民地のように王冠の透かしではなく、パイナップル模様の透かしが入った用紙が採用された経緯は定かではありません。

 ちなみに、パイナップルはジャマイカにとってシンボリックな植物で、1661年に制定された国章は、現地の男女が支える盾の中にパイナップを描くデザインとなっています。国章の左側に立つ女性は熱帯の果実を持ち、盾の上には木材産業を意味する原木とワニが描き、かつては、下のリボンに、先住民のタイノ人とアラワク人が英国人入植者に隷属することを意味するラテン語の文言として“INDVS VTERQVE SERVIET VNI(2人のインディアンが1人に仕える)”が入っていましたが、この文言は、独立前年の1961年に現在の“Out of Many, One People”(多数から一つの国民に)へと変更されました。ついでですので、下に、現在の国章の画像を貼っておきます。

      ジャマイカの国章
 

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