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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 放送記念日
2018-03-22 Thu 01:04
 きょう(22日)は、NHKラジオ第1放送が、1925年3月22日に東京都港区芝浦の仮送信所でラジオの仮放送を開始したことを記念して、いまから75年前の1943年に制定された“放送記念日”です。というわけで、放送関連の切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      キューバ・ラジオリベルデ50年

 これは、2008年にキューバで発行された“ラジオ・リベルデ50年”の記念切手で、シエラ・マエストラ山中からゲリラ放送を行うチェ・ゲヴァラが描かれています。

 1953年7月26日、フィデル・カストロらは親米独裁のバティスタ政権打倒をめざして、キューバ第2の兵営であるモンカダ兵営を襲撃しました。しかし、彼らが期待した一般市民による反バティスタ蜂起は起こらず、逃げのびたカストロ本人も逮捕・投獄されてしまいます。その後、彼が獄中で執筆した手記『歴史は私に無罪を宣告するであろう』が密かに出版されると、カストロらに対する恩赦を求める運動が市民たちの間に広がり、1955年5月、バティスタも渋々ながらカストロの釈放を認めざるを得ませんでした。

 こうして釈放されたカストロは、再起を期していったんメキシコに亡命。そこで、たまたま、“アメリカ帝国主義からラテンアメリカを解放する”との理想を抱いてメキシコシティに来ていたアルゼンチン出身の青年医師、エルネスト・ゲヴァラ(チェ・ゲヴァラ)と知り合い、意気投合します。

 メキシコでのカストロは、反政府組織“7月26日運動(M26)”を軸に、キューバ遠征のための資金の調達とゲリラの訓練を開始。そして、1956年11月25日、グランマ号でメキシコのトゥスパンを出港し、12月2日にキューバへ上陸しました。上陸後すぐにカストロらはバティスタの政府軍に包囲され、命からがらシエラ・マエストラ山脈に逃げのびたときには、兵力はわずか17名(このうちの5名は途中で合流した農民である)にまで減少。こうして絶望的とも思われたカストロの革命でしたが、キューバ国内のさまざまな反独裁勢力に支えられ、各地の農村から集まってくる志願兵を受けいれるかたちで徐々に勢力を盛り返していきます。

 今回ご紹介の切手の題材となっている“ラジオ・レベルデ”は、そうした反バティスタの革命闘争の過程で、1958年2月20日、叛乱側の放送局として、シエラ・マエストラ山中で誕生しました。

 ラジオ・レベルデは、まず、ラ・メサでアマテュア無線の周波数にあわせた試験放送を行った後、ゲヴァラの指示で“放送局”をアルトス・デ・コンラードに移動。さらに、アナウンスができるオレステス・バレーラとリカルド・マルティネスを加え、2月24日、「こちらは叛乱軍放送、シエラ・マエストラの声です。全キューバに20メートルバンドの周波数帯で、毎日、午後5時から夜の9時まで放送します」との第一声を送信しました。

 放送が開始された時のことを、ゲヴァラは「局のすぐ前に住んでいる農民と野営地を訪問中のフィデル(カストロ)以外にいなかった」と自嘲気味に回想していますが、ラジオ・レベルデの周波数帯は長距離用だったため、キューバ国内よりも、むしろ、国外での聴取に適していました。このため、ラジオ・レベルデの放送は、まず、ヴェネズエラでキャッチされ、そこから同国のラジオ・ルンボスやラジオコンティネンタ、ついでコロンビアのラジオ・カラコルとネットワークを形成することで、キューバ国内にもリスナーを広げていくことになります。

 その後、カストロとゲヴァラの叛乱側が攻勢を強めていくと、彼らの戦果はラジオ・レベルデを通じて一般のキューバ国民にも知られようになり、そのことが、ますます叛乱軍が国民の支持を得ていくという好循環をもたらし、革命の成就に大いに貢献しました。

 さて、ことし(2018年)6月はゲヴァラの生誕90年にあたっているため、この機会をとらえ、ゲヴァラとキューバ革命に関する書籍を刊行すべく、現在、鋭意制作中です。書籍の正式なタイトルや刊行日など、詳細が決まりましたら、このブログでもご案内いたしますので、よろしくお願いします。  

   
★★★ 展示イベントのご案内 ★★★

 第9回テーマティク研究会切手展 3月30日(金)~4月1日(日) 10:30~17:00
 於・切手の博物館(東京・目白)

      第9回JTPC展ポスター

 テーマティク研究会(旧テーマティク出品者の会)は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年のメルボルン展に出品した昭和の戦争と日本のコレクションを展示します。

 入場は無料で、会期最終日の1日15:00からは、内藤が展示解説を行いますので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)


★★★ トークイベントのご案内 ★★★

<ヒロシマ トークセッション連続講座 アウシュヴィッツの手紙・戦争と切手>

      アウシュヴィッツの手紙・表紙

 4月7日(土)13:00-16:00  
 於・ (公財) 愛恵福祉支援財団(東京都北区中里 2-6-1愛恵ビル3F)
 資料代 1,000 円 (当日会場で集めます)
 会場と資料準備の関係で必ず、下記宛に事前の申し込みをお願いします。
 申込先 竹内 良男(qq2g2vdd★vanilla.ocn.ne.jp スパム防止のため、送信の際は★を@にしてください)

 
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