FC2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 切手に見るソウルと韓国:パラリンピック
2018-03-31 Sat 03:03
 『東洋経済日報』3月23日号が発行されました。月一で同紙に僕が連載している「切手に見るソウルと韓国」は、前回が平昌五輪を取り上げましたので、今回は(発行日は会期終了後でしたが)平昌パラリンピックにちなんで、パラリンピック関係の切手をご紹介しました。その中から、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます) 

      ソウル・パラリンピック

 これは、1988年のソウル・パラリンピックに際して、韓国が発行した記念切手で、大会マスコットのコムドゥリが取り上げられています。

 第二次大戦中の1944年、英政府は、戦争で負傷し脊髄損傷になった兵士の治療と社会復帰を目的に、ロンドン郊外にあったストーク・マンデビル病院内に脊髄損傷科(現国立脊髄損傷センター)を開設。所長のルードウィッヒ・グットマンは、スポーツを治療に取り入れ、パンチボール訓練を導入、1945年からは車いすによるポロやバスケットボール、卓球などを導入しました。こうした前史を経て、1948年7月29日、グットマンはロンドン五輪にあわせてストーク・マンデビル病院内で16名(男子14名・女子2名)の車いす患者(英国退役軍人)によるアーチェリー大会を開催。これがパラリンピックのルーツとなりました。

 以後、同大会は毎年開催され、1952年にはオランダの参加を得て国際競技会へと発展。1960年、英国、オランダ、ベルギー、イタリア、フランスの5か国により国際ストーク・マンデビル大会委員会(ISMGC)が設立され、グットマンがその初代会長に就任します。ISMGCは、五輪開催年に実施する大会は、オリンピック開催国でオリンピック終了後に実施する意向を表明した。

 これを受けて、ローマ五輪の行われた1960年、ローマで23か国・400名が参加して国際ストーク・マンデビル大会が開催されました。これが第1回のパラリンピックとされています。

 ついで、1964年の東京五輪の直後、東京で国際身体障碍者スポーツ大会が開催され、“Paraplegia(対まひ者)”の“Olympic”=“Paralympic”ということで、パラリンピックという愛称が採用されました。

 東京大会の後、ふたたび、パラリンピックは五輪開催地とは別の地で行われるようになりましたが、年を追って、大会の参加者は車いす使用者だけでなく、さまざまな障碍のある人に拡大していきます。

 一方、パラリンピックの名称は、当初、IOCがオリンピックと類似の名称を使うことを嫌ったため、単なる愛称という扱いでしたが、1985年、IOCはパラリンピックスの名称を使用することに同意(その一方で、オリンピックの名称は禁止)。その際、“パラリンピック”の語は、パラ=Parallel(沿う、並行)+Olympics(オリンピックス)へと解釈変更されました。

 こうして、1988年、ソウル五輪の後に、“パラリンピック”を正式名称とした最初の大会として、ソウルパラリンピックが開催され、61か国3057名の選手が出場。同大会は、オリンピック組織委員会がオリンピックとパラリンピックを連動させたはじめての大会(オリンピックで使用した会場も使用)となりました。なお、今回ご紹介の記念切手では、英文表示はパラリンピックとなっていますが、当時の韓国ではこの語がまだ一般的ではなかったため、ハングルでは“障碍者オリンピック”と表示されています。

 翌1989年、ドイツのデュッセルドルフで国際パラリンピック委員会(IPC)が創設。2000年にはIOCとIPCとの間で「オリンピック開催国は、オリンピック終了後、引き続いてパラリンピックを開催しなければならない」との基本合意が成立し、現在のパラリンピックの枠組ができあがることになります。

  
★★★ 展示イベントのご案内 ★★★

 第9回テーマティク研究会切手展 3月30日(金)~4月1日(日) 10:30~17:00
 於・切手の博物館(東京・目白)

      第9回JTPC展ポスター

 テーマティク研究会(旧テーマティク出品者の会)は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年のメルボルン展に出品した昭和の戦争と日本のコレクションを展示します。

 入場は無料で、会期最終日の1日15:00からは、内藤が展示解説を行いますので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)


★★★ トークイベントのご案内 ★★★

<ヒロシマ トークセッション連続講座 アウシュヴィッツの手紙・戦争と切手>

      アウシュヴィッツの手紙・表紙

 4月7日(土)13:00-16:00  
 於・ (公財) 愛恵福祉支援財団(東京都北区中里 2-6-1愛恵ビル3F)
 資料代 1,000 円 (当日会場で集めます)
 会場と資料準備の関係で必ず、下記宛に事前の申し込みをお願いします。
 申込先 竹内 良男(qq2g2vdd★vanilla.ocn.ne.jp スパム防止のため、送信の際は★を@にしてください)

 
★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。
スポンサーサイト

別窓 | 韓国:盧泰愚時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< 北海道帝国大学設置100年 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  きょうからJTPC展です>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/