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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 花まつり
2018-04-08 Sun 15:37
 きょう(8日)は、お釈迦様の誕生を祝う“花まつり”の日です。というわけで、毎年恒例、お釈迦様ネタの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      北朝鮮・梁泉寺

 これは、2003年に北朝鮮が発行した梁泉寺の切手で、同寺大雄殿(中国および朝鮮の禅宗系寺院での本堂の呼称)の本尊・釈迦三尊像と釈迦如来の後仏幀画が取り上げられています。

 朝鮮の伝統的な仏教寺院では、日本や中国とは異なり、仏壇荘厳(仏壇の飾り方)として、仏壇の背後に仏画を架けるのが一般的で、本尊仏が二重になるのが特徴です。今回ご紹介の切手では、手前の三尊像の主仏の印相はよくわかりませんが、背後の後仏幀画では、降魔印がしっかり見えますので、本尊が釈迦如来であることがわかります。

 切手に取り上げられた梁泉寺は、北朝鮮北部、咸鏡南道高原郡楽泉里に位置しており、統一新羅時代の753年に建立されました。その後、朝鮮王朝(李氏朝鮮)時代の1636年に大雄殿が改築され、萬歳楼は1729年に補修されました。

 金正日は、「歴史文化遺跡を原状どおり保存、管理し、それを通じての教育を正しくおこなうようにするため」として、2002年6月1日、今回ご紹介の切手の梁泉寺を訪問して大雄殿と萬歳楼を視察し、大雄殿の天井壁画などを絶賛し、朝鮮の重要な伝統文化としてこれを維持・保存し、広く公開すべきであると語りました。これを皮切りに、金正日は、2003年2月と4月には博川郡の深源寺、金野郡の安佛寺を訪ねたのをはじめ、数多くの歴史文化遺跡を訪ねて“現地指導”を行っています。また、これと並行して、2002年9月8日、2003年1月2日、党中央委員会の責任幹部への談話として「朝鮮人民の優れた民族的伝統を大いに生かすために」が発表されるなど、この時期は、朝鮮の伝統文化を強調する政策が取られていました。

 今回ご紹介の切手は、こうしたことを踏まえて、金正日の梁泉寺訪問から1周年にあたる2003年5月30日に。単片4種+小型シートのセットで発行されたものです。

 なお、この時発行された切手の中には、三蔵幀画(三尊仏画とも)を取り上げた1枚も含まれています。

      北朝鮮・梁泉寺(三尊)

 三蔵幀画は朝鮮王朝独特の仏画のスタイルで、中央に天蔵菩薩、向かって右に地持菩薩、左に地蔵菩薩を配したもので、高麗時代以降、中国の地蔵十王信仰が朝鮮にも広まる中で、それと釈尊の三身信仰が結びついて創案されたとされています。天蔵菩薩は地蔵菩薩と対になる存在で、朝鮮以外の地域で信仰される虚空蔵菩薩の原型に近いと思われます。虚空蔵菩薩は知恵の菩薩ともされ、人々に知恵を授ける存在とされていますが、同時に、“明けの明星”は虚空蔵菩薩の化身・象徴とされています。明けの明星といえば、北朝鮮の政治的な文脈では、金正日を象徴する言葉の“光明星”をイメージさせるものですから、三蔵幀画の切手も、伝統文化に仮託して、金正日を讃える意図が込められていたとみることも可能かもしれません。

 さて、今晩22時から生放送の拉致被害者全員奪還ツイキャスでは、内藤がゲスト出演し、“朝鮮の民族的伝統”をも踏まえたうえで、昨今の朝鮮半島情勢について考えたことをお話しいたします。よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。

 *昨日、東京・駒込の(公財) 愛恵福祉支援財団で開催のヒロシマ トークセッション連続講座第45回「アウシュヴィッツの手紙・戦争と切手」は、無事、盛況のうちに終了しました。お集まりいただいた皆様、スタッフの方々には、この場をお借りしてお礼申し上げます。


 ★★★ ツイキャス出演のお知らせ ★★★

 4月8日(日)22:00~ 拉致被害者全員奪還ツイキャスのゲストで内藤が出演しますので、よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。

 
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