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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 英領カメルーン
2018-04-12 Thu 16:48
 オーストラリア東海岸のゴールドコーストで開催中の英連邦競技大会(コモンウェルスゲーム)で、きのう(11日)までに、カメルーン選手団24人のうち、8人(ボクシング選手5、重量挙げ選手3)が行方不明になっていることが明らかになりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      カメルーン・UKTT加刷

 これは、1961年にカメルーンの旧英領地域で発行されたUKTT加刷切手です。

 カメルーンは中部アフリカのギニア湾に面した国で、その名は、1470年にこの地を訪れたポルトガル人がエビの多いことから“カマラウン”と名付けたことに由来しています。

 列強諸国によるアフリカ分割が進められていく過程で、1868年、ハンブルクのカール・ヴェールマン商会がカメルーンに拠点を構えます。その後、ドイツは、カメルーン南西部を拠点とするドゥアラ人と保護条約を結び、ギニア湾東部を勢力圏内に置くことに成功。さらに、1884年7月、カメルーン全土を支配下に置きました。

 これを受けて、1887年2月1日、ドゥアラに最初のドイツ局(当時の局名は“カメルーン”でした)が設けられます。当初、カメルーンのドイツ局では、本国の切手が無加刷のまま使われていましたが、1897年以降、“Kamerun”表示の加刷切手が使用されるようになり、1900年からは皇帝の御用戦艦を描く、植民地共通図案の“カイザーヨット”切手が使用されました。

 第一次大戦で、カメルーンは英仏軍によって占領され、戦後、領域の約8割が仏領に、ナイジェリアとの国境沿いの残り2割が英領に分割されます。

 このうち、仏領地域では独自の切手が発行されましたが、英領地域では、大戦中の1915年、独領時代の切手に“カメルーン派遣軍”を意味する“C.E.F. (=Cameroons Expeditionary Force)” と加刷した切手が発行されたものの、大戦終結後の1920年以降はナイジェリア切手が無加刷で使用されていました。

 第二次大戦後の1960年1月1日、仏領カメルーンは独立を達成しますが、英領地域では旧仏領地域との統合を巡って対立がおこり、最終的に、1961年10月1日、英領カメルーンの南部が旧仏領カメルーンとともにカメルーン連邦共和国を結成。旧英領カメルーンの北部はナイジェリアへ統合されることで決着しました。これが、現在のカメルーン国家の直接のルーツとなります。

 今回ご紹介の切手は、1960年の旧仏領カメルーンの独立以降、英領カメルーンの帰属が決定するまでの間の暫定措置として発行されたもので、ナイジェリア切手に“英委任統治領カメルーン”を意味する“CAMEROONS U.K.T.T.(= United Kingdom Trust Territory)”と加刷されています。この加刷切手は、英領地域全域で使用されましたが、英領地域の南北分割にともない使用停止となりました。

 一般に旧仏領とされるカメルーンですが、このように、一部に旧英領地域を抱えていることから、1995年、英連邦に加盟。それゆえ、今回もコモンウェルスゲームに選手団を派遣していたという事情があります。


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