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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 きょう南北首脳会談
2018-04-27 Fri 10:31
 11年ぶり3回目となる韓国と北朝鮮の南北首脳会談が、さきほど(27日午前9時半)はじまりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      南北朝上会談(韓国2000)

 これは、2,000年に行われた最初の南北首脳会談(韓国での呼称は南北朝上会談)に際して発行された記念切手です。

 2000年3月9日、韓国の金大中大統領は外遊先のベルリンで講演を行い、対北朝鮮政策に関する「ベルリン宣言」を発表。その主なポイントは以下の通りでした。

 1)韓国は北朝鮮が経済的困難を克服できるよう手助けする準備がある。道路、港湾、鉄道、電力、通信など社会間接資本の拡充や投資保障協定と二重課税防止協定などの投資の環境整備、食糧難の抜本的な解決のための北朝鮮農業の構造改革など、政府当局間の協力が必要な事項については、北朝鮮からの要請があれば、韓国はこれを積極的に検討する準備がある。
 2)韓国の当面の目標は、統一よりも平和定着である。したがってわが政府は、和解と協力の精神で力が及ぶ限り、北を手助けしていく。
 3)北朝鮮は人道的見地から、離散家族問題解決に応じるべきだ。
 4)これらすべての問題を効果的に解決するため、南北当局間の対話が必要だ。

 ベルリン宣言の発表を受けて、3月17日、北京で特使級の非公開接触が行われ、南北頂上会談の実施が合意されます。会談では、1971年の「7.4南北共同声明」の祖国統一3大原則(自主・平和・民族大団結)を出発点とすることも確認されました。

 北朝鮮側が南北頂上会談の受け入れに応じた背景には、なによりもまず、経済的苦境を脱するために韓国からの経済支援が必要であったという事情があります。

 一方、金大中政権下で採用された太陽政策の結果、韓国内で北朝鮮に対する宥和的な世論が形成されていたものの、2000年4月の国会議員選挙で、政権与党の民主党は、太陽政策に批判的な野党ハンナラ党に119対133で敗れていました。このため、世論の支持を得て巻き返しを図るためにも、金大中政権は南北頂上会談という切り札を早急に使う必要に迫られていました。

 こうした両者の思惑が絡み合い、2000年6月13日から15日にかけて、韓国の大統領、金大中が平壌を訪問して北朝鮮の最高実力者、朝鮮労働党総書記の金正日との“南北頂上会談”はこうした経緯を経て行われました。

 会談後の共同宣言では、今回の頂上会談が「祖国の平和的統一を念願する全民族の崇高な意志により」行われたものであることを明らかにした上で、①統一問題を自主的に解決していくこと、② 統一のため、南側の連合制案と北側の緩やかな連邦制案がお互い、共通性があったと認め、今後、この方向から統一を志向していくこと、③離散家族、親戚訪問団を交換し、非転向長期囚問題を解決すること、④経済協力を通じて、社会、文化、体育、保健、環境など、諸分野の交流を活性化させること、などがうたわれていました。また、答礼のため、金正日がソウルを訪問することも盛り込まれていましたが、これは、2011年に金正日が亡くなったため実現しませんでした。

 なお、このあたりの事情については、拙著『韓国現代史』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。また、今回の南北首脳会談を含む最近の朝鮮半島情勢についての、僕自身が考えていることなどにつきましては、チャンネルくららのこちらの動画をご覧ください。
 

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この記事のコメント
#2463
内藤先生、チャンネルくららの「最近の朝鮮半島についての雑感」楽しく有意義に拝見させていただきました。

思えば対中自立って100年以上前に日本が半島に促していた話で、それを利用して独立すればよかったのに、介入した日本を恨んで、李氏朝鮮の焼き直しみたいな政権をふたたびやっていることに悲哀を感じました。(当時の王朝よりは政治・外交力はあるので彼らからしたら成長している?)

拉致被害者を政治カードにして相手国の政権を操る腹立たしさはあれど、そんな北に突然(拉致被害者・特定失踪者を)返す用意がある言われただけでも対応できるのかかなり心配があります。日本も朝鮮総連・朝鮮大学校を政治カードとして持ちたいものですね。
2018-04-27 Fri 17:10 | URL | kuma #V4rYaZBU[ 内容変更] | ∧top | under∨
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