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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 聖キリルと聖メトディウスの日
2018-07-05 Thu 00:18
 きょう(5日)は、チェコとスロヴァキアでは“ 聖キリルと聖メトディウスの日”の祝日です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      チェコ・聖キリルと聖メトディウス(2013)

 これは、2013年にチェコが発行した“聖キリルと聖メトディウスの大モラヴィア到達1150年”の記念切手で、天使を従えたキリストの前に跪く聖キリル(左)と聖メトディウス(右)を描くフレスコ画が取り上げられています。フレスコ画はローマのサン・クレメンテ教会のもので、両聖人の肖像画としては最古のものです。なお、“聖キリルと聖メトディウスの大モラヴィア到達1150年”のテーマでは、今回ご紹介のチェコのほか、スロヴァキア、ヴァティカン、ブルガリアで同じフレスコ画を取り上げた切手が共同発行されています。

 聖キリル(キュリロス)は、827年、テッサロニキの富裕な家庭に生まれました。誕生時の名前はコンスタンティノスでしたが、コンスタンティノポリスで哲学を学んだ後、修道士となり、キュリロスと称しました。

 ギリシア語、ラテン語、ヘブライ語に熟知した文献学者、またユダヤ教やイスラムに反駁する哲学者として知られ、9世紀後半、モラヴィア王国(現在のチェコ東部に相当)が東ローマ帝国にキリスト教宣教師を要請すると、布教のためモラヴィアへ兄メトディオスとともに派遣されてモラヴィア王家に洗礼を施し、キリスト教に改宗させました。また、新たに考案したグラゴル文字(現在のキリル文字のもとになったとされる文字)を用いて古代教会スラヴ語への聖書の翻訳を行うなど、スラヴ世界におけるキリスト教伝道に努めたため、キュリロスとメトディオスの兄弟は、ともに“スラブの(亜)使徒”と称され、スラヴ圏のキリスト教会では崇敬の対象となっています。

 しかし、兄弟によるモラヴィアへの布教に対しては、彼らが翻訳したスラヴ語聖書を使用することの是非をめぐってザルツブルク司教ティトマールが兄弟を攻撃したため、867年、ローマ教皇ニコラウス1世は兄弟をローマに招聘。これを受けて、兄弟は、聖クレメンス(第4代ローマ教皇l)の聖遺物を携え、弟子たちとともにローマへ上り、教皇に謁見。その学識と人格はローマの人々を魅了し、教皇は2人にモラヴィア伝道の許可を確認するとともに、スラヴ語による奉神礼に公式の許可を与えました。

 その後、キュリロス869年2月14日に亡くなり、彼の死後、モラヴィア伝道とスラヴ語奉神礼の整備は兄メトディオスと弟子たちに引き継がれました。しかし、彼らのモラヴィア布教は最終的に東フランク王国の圧力で失敗に終わり、モラヴィアは後にカトリック圏に組み込まれていくことになります。

 なお、7月20-22日に東京・錦糸町で開催の全日本切手展では、ことし(2018年)がチェコスロヴァキア独立100周年であることにちなみ、“チェコ切手展”を併催します。同展では、チェコスロヴァキア最初の切手として知られるプラハ城切手の世界的なコレクションの展示をのほか、チェコ美術に関する講演などのプログラムもご用意しております。僕も21日(土)14:30から、8階イベントスペースで「アウシュヴィッツとチェコを往来した郵便」と題するトークイベントを行いますので、よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。
 
★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月20-22日(金-日) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにチェコ切手展が開催されます。主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2018ポスター

 *画像は実行委員会が制作したポスターです。クリックで拡大してご覧ください。

 なお、会期中の21日、内藤は、以下の3回、トーク・イベントをやります。
 13:00・9階会議室 「国際切手展審査員としての経験から テーマティク部門」
 14:30・8階イベントスペース 「アウシュヴィッツとチェコを往来した郵便」
 16:00・8階イベントスペース 『世界一高価な切手の物語』(東京創元社)


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

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      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

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