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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ソロモン諸島独立40年
2018-07-07 Sat 00:36
 1978年7月7日にソロモン諸島が独立してから、ちょうど40周年になりました。というわけで、きょうはこの切手です。

      ソロモン諸島独立(国旗)

 これは、1978年のソロモン諸島独立時に発行された記念切手のうち、新国家の国旗を取り上げた1枚です。ソロモン諸島の国旗は、独立に先立つ1977年11月8日に制定され、5つの星は5つの主要な島(ガダルカナル島、サンクリストバル島、マレータ島、サンタイサベル島、チョイスル島)を、青は諸島を囲んでいる海、緑は陸地、黄色の線は日光を象徴しています。

 ソロモン諸島は、南太平洋のメラネシアのうち、ニューギニア島東方の100余の島々で、地域概念としては、ブーゲンビル島を含みますが、行政的にはブーゲンビル島はパプア・ニューギニアの支配下にあるため、国家としての“ソロモン諸島”の総面積は、同島を除く範囲となっています。国民の9割以上はメラネシア系ですが、彼らの間には部族間対立が存在しています。

 ソロモン諸島との名は、1568年、西洋人として初めてこの地を訪れたスペイン人探検家、アルバロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラがガダルカナル島で砂金を発見し、これを古代イスラエルのソロモン王の財宝だと誤解して命名したものです。

 1893年にソロモン諸島(の南部)は英領となり、1896年に弁務官としてチャールズ・モリス・ウッドフォードがツラギに派遣されました。しかし、当初、この地域では近代郵便は実施されておらず、外部との通信は幸便に託され、オーストラリアに持ち込まれた後に、持ち込んだ人が差出人から預かったお金で切手を購入して投函するという形式が取られていました。
 
 このため、ウッドフォードはニューサウスウェールズ切手を持ち込んで欧米系の住民に販売。ニューサウスウェールズ切手を貼った郵便物はツラギに集められ、一括してシドニー郵便局長宛に送られ、シドニーで消印された後宛先地に届けるという方式が採用されます。その後、1906年、ツラギでのニューサウスウェールズ切手の販売は停止され、代わりに、“BRITISH SOLOMON ISLANDS PAID”と表示された印が使用されるようになります。この印が押された郵便物は、シドニー以遠の料金相当の小切手とともに一括してシドニーに送られ、シドニーでニューサウスウェールズ切手を貼り、宛先地へ届けられるようになりました。

 翌1907年9月、英領ソロモン諸島がUPUに加盟を認められると、こうした方式は廃止され、英領ソロモン諸島としての最初の切手がシドニーのW.E.スミス社で製造され、同年、発行されました。

 第二次大戦中の1942年5月3日、日本軍は英領ソロモン諸島のツラギ島に進出。その後、この地域の制空権を確保するため、7月から隣接するガダルカナル島のルンガ地区に建設工事を開始して、8月5日には滑走路の第1期工事が完了しました。日本軍はこの飛行場をルンガ飛行場と命名します。

 これに対して、8月7日、米軍の第1海兵師団がガダルカナル島に上陸し、飛行場を占領。同12日、米軍は飛行場をヘンダーソン飛行場と改称します。この名前は、2ヶ月前のミッドウェー海戦で戦死した海兵隊の航空指揮官、ロフトン・R・ヘンダーソン少佐にちなんだものでした。

 その後、約2週間で1100mの滑走路1本が完成し、ヘンダーソン飛行場は米軍の一大反攻基地となりますが、日本軍も飛行場奪回を目指して猛攻を加え、この飛行場をめぐって激戦が展開されます。最終的に、1943年2月、日本軍は“転進(=撤退)”を余儀なくされましたが、ガダルカナル島に上陸した約3万名の日本軍将兵のうち、撤退できたのは1万名余しかおらず、戦死者2万1000名のうち、1万5000名は病死または餓死だったといわれています。このことから、ガダルカナル島、略してガ島は“餓島”とさえいわれました。

 第二次大戦後は英領に復しましたが、1976年に自治権を獲得。2年後の1978年に英連邦加盟国かつ英連邦王国として独立しました。

 独立後は、英連邦王国の一国として独立後、政治・経済の中心地であるガダルカナル島へは、隣のマライタ島からの移住者が急増。このため、もともとの島民と移住者との対立が激化し、流血の事態にまで発展したため、ソロモン諸島政府の要請を受けて、2003年7月、オーストラリアとニュージーランドの軍、警察約2200人が出動する騒ぎになりました。また、人口的には0.3%に過ぎない華人が経済的に大きな力を持っていることへの不満から、2006年4月には、ホニアラで中華街に対する大規模な襲撃事件も発生しています。

 ソロモン諸島のうち、ガダルカナル島には、昨年のアジア国際切手展<Merbourne 2017>の機会をとらえて、現地で戦跡めぐりをしましたが、いずれ、その時の体験を踏まえて、何かまとまったものを書いてみたいですね。

 
★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月20-22日(金-日) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにチェコ切手展が開催されます。主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2018ポスター

 *画像は実行委員会が制作したポスターです。クリックで拡大してご覧ください。

 なお、会期中の21日、内藤は、以下の3回、トーク・イベントをやります。
 13:00・9階会議室 「国際切手展審査員としての経験から テーマティク部門」
 14:30・8階イベントスペース 「アウシュヴィッツとチェコを往来した郵便」
 16:00・8階イベントスペース 『世界一高価な切手の物語』(東京創元社)


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

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