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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ゲバラ忌
2018-10-09 Tue 08:36
 きょう(9日)は、1967年10月9日に亡くなったチェ・ゲバラの命日です。というわけで、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ボリビア・ゲバラ没後40年(コラージュ)

 これは、2007年にボリビアが発行した“ゲバラ没後40年”の記念切手の1枚で、1957年、ハバナ生まれの画家・グラフィックデザイナーで、キューバとボリビアを拠点に活動しているエルネスト・アスクイが制作した“英雄的ゲリラ”のアンディ・ウォーホル風コラージュが取り上げられています。

 1965年4月、「別れの手紙」を残してキューバを去ったゲバラは、新たな革命の地を求めてコンゴ動乱に馳せ参じ、軍事政権に対抗する左翼反乱軍に参加しました。しかし、反政府勢力首脳部の腐敗と堕落に幻滅した彼は、“世界革命”の理想を抱えてコンゴから撤退し、チェコスロヴァキアを経てラテンアメリカに戻り、1966年11月、バリエントス独裁政権下のボリビアに潜入。革命に向けての“アンデス計画”を展開します。

 アンデス計画は、(実際の地理的条件を無視すれば)ペルー、チリ、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルからほぼ等距離にあるボリビア北部の山岳地帯を拠点に、現地の農民を革命兵士に育て上げ、訓練施設を拡充し、ついで近隣諸国から送り込まれる志願者を革命兵士として教育し、その見返りとして資金的・物質的援助を得て、活動の範囲を広げていくという壮大なものでした。

 しかし、現地のボリビア共産党や先住民の農民は“よそ者”のゲバラに対して非協力的で、彼らは勢力を拡大できないまま、1967年10月8日、ゲバラ本人も戦闘でふくらはぎを負傷。ラ・イゲーラ近くのケブラダ・デル・ジューロ(ユーロ)渓谷で捕縛された後、村の小学校に移送され、翌9日、銃殺されました。最期の言葉は、銃殺をためらう政府軍兵士に対して発せられた「お前の目の前にいるのは英雄でも何でもないただの男だ。撃て!」でした。

 その後、ゲバラの遺体は、バジェ・グランデ市内に運ばれ、しばらく晒しものにされた後、密かにバジェ・グランデ空港の滑走路に埋められました。

 ゲバラの殺害から28年が経過した1995年、遺体の処理に関わった元軍人のバルガス・サリナス(事件当時の階級は大尉。最終的に将軍まで昇進)は、伝記作家のインタビューに答えて、ゲバラの埋葬場所を公表。当初、ボリビア陸軍はサリナス証言を否定し、サリナスに対して“元将軍”の地位と名誉を剥奪する処分を下しましたが、当時のボリビア大統領、ゴンサロ・サンチェスは、ゲバラの埋葬場所を観光資源化することを考え、遺体の捜索を約束しました。

 こうして、1995年11月、キューバとアルゼンチンから専門家チームが現地に派遣され、発掘作業が開始。1年半後の1997年6月29日、遺骨が発見されました。

 発掘されたゲバラとキューバ人同志たちの遺骨は、それぞれ、木棺に収められた後、キューバ国旗に包まれ、ハバナへと空輸されました。遺骨は、ハヴァナ市内中心部の革命広場で盛大な帰還式典が行われた後、新たに建設されたサンタ・クララ霊廟の地下に収められ、現在に至っています。

 一方、遺骨発見のタイミングがゲバラの没後40周年と重なったこともあり、ラ・イゲーラでは大々的な記念行事が行われ、殺害場所となった小学校がリニューアルされて村営博物館となったほか、村の中央広場には高さ4mの巨大なゲバラ立像のほか、セメント製の胸像も作られています。今回ご紹介の切手も、そうした文脈に沿って、ボリビア郵政が発行したものです。

 さて、現在制作中の拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』では、ゲバラの没後、彼のイメージがどのように変遷し、消費されていったかということについても触れていく予定です。諸般の事情で制作作業が予定よりも大幅に遅れており、心苦しい限りなのですが、正式な刊行日等、詳細が決まりましたら、このブログでも随時ご案内いたしますので、よろしくお願いします。
 

★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

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