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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 香港警察、デモ隊に発砲
2019-08-26 Mon 02:34
 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案などへの抗議活動が続いている香港で、きのう(25日)、新界・荃湾の商店街で警察がデモ隊に発砲しました。一連の抗議行動が始まって以来、香港警察が(催涙弾ではなく)実弾を発砲したのは初めてです。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      香港警察(2019)

 これは、今年(2019年)4月30日に香港で発行された“われらの警察”の切手のうち、“国際協力(國際合作)”の4ドル90セント切手で、銃を構える警察官と警察車両がデザインされています。

 “われらの警察”は、1844年に英領香港で警察制度が発足してから175周年になるのを記念して発行されたもので、現在の香港警察の活動を紹介する6種セットの単片切手と小型シートで構成されています。今回ご紹介の“國際合作”の切手について、香港郵政は以下のように説明しています。

 技術の急速な発展に伴い、国境を越えた犯罪活動が増えています。越境犯罪を探知するには国際協力が欠かせません。香港警察は、越境犯罪と最も効果的に戦うため、犯罪についての情報交換やテロ対策のための国際協力、調査研究、訓練などについて、長年にわたり、海外の多くの地域の法執行機関と連携しています。

 この切手が発行された4月末の時点では、香港政府としても、問題の「逃亡犯条例」を原案通りに改正するつもりで、わざわざ越境犯罪に対する“國際合作”を切手の題材にも取り上げたものと思われます。しかし、「逃亡犯条例」の改正により、北京政府による香港への統制がきつくなり、特に、民主派とみなされた人々は法の恣意的な運用によって中国に引き渡されるのではないかという香港市民の不安は強く、そのことが、6月4日の天安門事件30周年を機に、一連の抗議活動へと発展していったことを考えると、今となっては何とも皮肉な切手になってしまいましたね。

 ちなみに、先月21日の元朗駅でのテロ事件の際の警察の不手際(事前に情報を得ていながら、白シャツ隊のテロを事実上黙認)や白シャツ隊との癒着疑惑、今月12日、尖沙咀で女性が警察にビーンバッグ弾を撃たれ、右目が失明した事件などで、香港市民の警察不信が非常に高まっており、きょうのデモでも、「還警於民(警察を市民のもとに取り戻そう)」とのスローガンが掲げられました。

 また、きょうも、デモ隊への発砲だけでなく、現地時間の21時頃には、荃湾で五星紅旗を揚げ、鉄パイプを持った白シャツ隊が出没し、デモ隊を追いかけて殴りかかっていたにもかかわらず、警察はこれを制止せず、見て見ぬフリをしている動画がSNS上には上がっています。

 切手の題目のように、香港市民が“われらの警察”を取り戻す日が来ることを切に願ってやみません。


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