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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界最大の犠牲祭はじまる
2019-12-04 Wed 02:04
 インドとの国境に近いネパールのバラ郡バリヤプールにあるガディマイ寺院で、昨日(3日)から、世界最大の犠牲祭として知られるヒンドゥーの“ガディマイ・メラ”が始まりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ネパール・ガディマイ

 これは、2004年にネパールが発行した観光宣伝切手のうち、ガディマイ寺院を取り上げた1枚です。中央に取り上げられているのは、ヒンドゥーの女神のひとつ、ガディマイで、彼女に生贄の動物を奉げることで、幸運と繁栄が得られるとされています。

 ガディマイ・メラは、いまから260年ほど前、この地方の地主の男が下獄した際、ガディマイ寺院に血に犠牲を払えば自らの罪は解決されると信じ、釈放されるとすぐにシャーマンを呼び、生贄を捧げたのが始まりとされています。以後、5年に1度、女神ガディマイに動物の生贄を捧げ、神の加護を願う祭りとして“ガディマイ・メラ”が行われるようになりました。
 
 ガディマイ・メラでは、約250万人のヒンドゥー信徒がインドおよびネパール各地から膨大な数の牛、羊、豚などの家畜を連れてガディマイ寺院に集まり、連れてきた動物を生贄として屠っています。なお、一般に、ヒンドゥーでは、シヴァ神の乗物である牛は“聖なる動物”として殺してはならないとされていますが、ガディマイ・メラでは、それゆえに水牛が最も徳の高い生贄として重宝されるため、巡礼者が何千もの水牛を連れてきます。

 連れて来られた動物は水や餌を与えられないまま囲いの中に閉じ込められ、祭りの日が来ると、200人以上の男たちが囲いの中に入り、剣を振り回して殺します。2014年に行われた前回の祭りでは、2日間で推定20万もの動物が殺されたとされています。

 これに対して、世界各国の動物愛護団体は長年にわたって動物虐待としてガディマイ・メラの中止を求めて抗議活動を展開。このため、前回の祭りが終わった後の2015年、ガディマイ寺院は「2019年の祭りを最後に、動物の殺戮を禁止する」と宣言し、翌2016年にはネパール最高裁も政府に対して生贄をやめるよう命じたため、その通りに実行されれば、今回が最後のガディマイ・メラということになります。

 もっとも、ガディマイ寺院の認識では「265年の歴史を持つ祭りの儀式を短期間で変えるのは困難だろう。多くの善男善女は血まみれの動物を捧げてこそ、女神のご加護を得られると深く信じているからだ」とのこと。さらに、ガディマイ・メラは多くの人々が集まる観光資源となっており、それゆえ、ネパール政府は祭りの開催に当たって寺院側に補助金を支払っているだけでなく、屠られた動物の肉や皮革をインドに売られることで得られる現金収入は総額で5億円近くにも上っているという事情もあり、今回限りで祭りをスパッとやめるのはなかなか難しいというのが実情のようです。


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