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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 奴隷及び大西洋間奴隷貿易犠牲者追悼国際デー
2020-03-25 Wed 03:02
 きょう(25日)は“奴隷及び大西洋間奴隷貿易犠牲者追悼国際デー”です。というわけで、大西洋を渡ってアフリカから米州に連れて行かれた奴隷に関する切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・デブレ「奴隷」(1970)

 これは、1970年にブラジルが発行した「ジャン=バティスト・デブレの水彩画」の切手のうち、「奴隷たち」を取り上げた1枚です。

 デブレは、1768年、パリ生まれ。パリのエコール・デ・ボザールでジャック=ルイ・ダヴィッドに学び、フランス第一帝政の時代の1798年のサロン・ド・パリで画家としてデビューしました。

 1815年にナポレオンが失脚すると、リオデジャネイロに遷移していたポルトガル王室の資金援助を受けたフランス美術ミッションの一員としてブラジルに渡り、1816年3月25日にリオに到着。1822年のブラジル独立後は皇帝ペドロ1世の寵愛を受け、宮廷画家となったほか、1822年にブラジル帝立美術アカデミーの教授に就任。1831年に帰国するまで、奴隷制度を中心に、ブラジルの住民の風習や社会的関係を描き、帰国後の1834-39年に3巻本の版画集、『ブラジルの美観、歴史的旅行記またはフランス画家のブラジル滞在記』を発表しました。

 ちなみに、ブラジルでは1822年の独立後も奴隷制が維持されていましたが、デブレが帰国した1831年に即位したドン・ペドロ2世はこれを徐々に廃止の方向へと導き、1850年には奴隷貿易を禁止。ついで、1871年9月28日に新生児解放令が発せられ、同法の施行以降に生まれた子供は、親が奴隷であっても、自由人の身分が保障されることになりました。

 その後も、奴隷の労働力に依存したプランテーション地主は奴隷制度の反対に強硬に反対しましたが、1888年5月13日(切手右側の日付)の黄金法をもって奴隷制は完全に廃止されます。ただし、地主層には奴隷制廃止などのリベラルな政策への反発が強く、1889年に軍事クーデターが発生して、帝政は廃止されて共和制が宣言され、皇帝一家はフランスに亡命を余儀なくされました。

 なお、解放された奴隷たちは、職を求めてリオとその周辺に集まってきましたが、それに伴い、彼らによってアフリカ起源の音楽とダンスもリオに持ち込まれます。当初、彼らが主に演奏していたのは、バトゥカーダ(打楽器のみの構成による2拍子の音楽)、ショーロ(管楽器と弦楽器のバンドリン+、カヴァキーニョ、ギター、打楽器のパンデイロを基本構成とし、即興演奏を重視した三部形式の音楽)、ルンドゥー(アフリカ系の軽快な舞踏音楽)などで、ここに、ヨーロッパの舞曲であるポルカやマズルカ要素が入り込み、舞踏音楽としてのサンバが生まれることになりました。

 このあたりの事情については、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもいろいろご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。


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