2021-02-24 Wed 02:52
きょう(24日)は、いまから200年前の1821年2月24日、メキシコ独立革命の指導者アグスティン・デ・イトゥルビデ(後のメキシコ皇帝)が「イグアラ綱領」を発表し、革命軍司令官のビセンテ・ゲレロ(後の大統領)がメキシコ国旗に忠誠を誓ったことを記念して、メキシコでは”国旗の日”とされています。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、2010年9月16日にメキシコが発行した“メキシコ独立200年”の記念切手のうち、現在のメキシコ国旗の原点ともいうべき“3つの保証軍”の旗を取り上げた1枚です。 1519年にスペイン人のエルナン・コルテスら征服者がアステカ帝国を滅して以来、スペインは“ヌエバ・エスパーニャ”として、現在のメキシコ国家の領域を含む広範な地域を300年にわたり支配していましたが、18世紀後半には米国独立戦争やフランス革命、ナポレオン戦争に影響され、クリオーリョ(現地生まれの白人)たちの間に独立の気運が高揚。1809-10年、キト、ラパス、サンティアゴ・デ・チレ、カラカス、ボゴタ、ブエノスアイレスなど南米各地でスペインからの独立戦争が始まると、1810年9月15日には、メキシコでもミゲル・イダルゴ神父らにより、スペイン支配打倒を叫ぶメキシコ独立革命が勃発しました。 独立戦争終盤の1821年2月24日、革命の指導者であったアグスティン・デ・イトゥルビデは、独立のための3原則(3つの保証)として、①独立後のメキシコが立憲君主国となること、②カトリックを国教とすること、③スペイン出身者とクリオーリョが政治的・社会的に平等の権利を有すること、の3原則を定めたイグアラ綱領を公布。その理念を実現するための“3つの保証軍”が組織されます。 その軍旗は、3原則の理念として、「宗教、独立、統一」を示す(左から)白・緑・赤の斜線にそれぞれ星を配したうえで、中央に楕円スペースを設け、その中に立憲君主制を示す王冠と王冠の上に「宗教、独立、統一」の文字を配したデザインとなっていました。そして、1821年8月24日、イトゥルビデとスペイン副王フアン・オドノフがベラクルス州コルドバで講和条約に調印することで、スペインがメキシコの独立を承認すると、この軍旗から中央の楕円の部分を取り、斜線と星のみに組み替えたものが、正式なメキシコ国旗となりました。 1822年5月19日、イトゥルビデを皇帝とするメキシコ第一帝政が発足すると、三色の配列を変えて、(左から)緑・白・赤の縦縞で、中央に国章の鷲を配した新国旗が制定されました。なお、この鷲は、現在のメキシコ・シティの前身であるティチティトラン(アステカ帝国の都)が、戦争と太陽の神“ウィツィロポチトリ”の預言者の「朝日に翼を広げる一頭の鷲がサボテンに止まり、蛇をむさぼり食うのを見る土地を汝らの安住の地にすべし」との託宣に基づいて建設されたとの伝説にちなむものです。 その後、メキシコ国旗のデザインは何度かマイナーチェンジが行われましたが、緑・白・赤の三色旗に鷲という基本的な構図は継承され、1968年9月16日に制定された国旗が現在でも使われています。 ★★ テーマティク切手展、開催中! ★★ ![]() 2021年2月13-28日(土~日) *ご好評につき、会期(公開期間)を1週間延長しました! テーマティク研究会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。 通常は東京・目白の切手の博物館を会場として開催しておりますが、ことしは、新型コロナウイルス感染防止の観点から、WEB上でコレクションを閲覧できる「オンライン切手展」となりました。ぜひ、こちらをクリックしてご覧ください。 ★★ 『世界はいつでも不安定』 3月10日発売!★★ ![]() 出版社からのコメント 教えて内藤先生。 地上波では絶対に伝えられない国際情勢の事実をユーモアを交えて解説! チャンネルくらら人気番組「内藤陽介の世界を読む」が完全書籍化! ご予約は、アマゾンまたは honto で受付中です。 ★ 内藤陽介の最新刊 『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』 ★ ![]() 出版社からのコメント 【中国の札束攻勢にソロモン諸島は陥落寸前!】 日本軍の撤退後、悲劇の激戦地は いかなる歴史をたどり、 中国はどのように浸透していったのか 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 スポンサーサイト
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