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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 河上肇賞をいただきました!
2021-04-11 Sun 03:14
      河上肇賞・授賞式

 私事で恐縮ですが、昨年11月、拙稿「東京五輪の郵便学」が藤原書店主催の第16回河上肇賞に選ばれ、きのう(10日)、その授賞式に出席して正賞の盾を頂戴してきました。(写真は、審査員の橋本五郎さんから盾を受け取っているところです)

 河上肇賞は、明治から昭和にかけて、学者・文人・ジャーナリストとして幅広く活動した河上肇(1879-1946)の歿60年を機に創設された賞で、同賞の募集要項によると、「2万字-20万字の日本語による未発表の単著論文(一部分既発表でも可)」で、「経済学・文明論・文学評論・時論・思想・歴史の領域で、狭い専門分野にとどまらない広い視野に立ち、今日的な観点に立脚し、散文としてもすぐれた作品」が対象になるとされています。作品の募集は2005年以来毎年行われており(ただし、本年=2021年が最終年)、毎年8月末が〆切です。

 2001年から2009年にかけて上梓した拙著『解説・戦後記念切手』(全7巻別冊1)は、公園切手を除く昭和・戦後の全記念特殊切手について、切手発行の経緯やデザイン、当時の人々の評判などの情報を網羅的にまとめた“読む事典”です。ただ、事典という性格上、『解説・戦後記念切手』は、個別の切手についての解説はそれぞれ別個の独立した項目としており、書籍としては、いわば逐条解説集のようなスタイルとなっていました。

 そこで、『解説・戦後記念切手』の完結後、同書の蓄積を元に、個々の切手についての情報を組み合わせることで、切手という切り口から、昭和・戦後史を再構成していこうと考えました。その最初の成果としてまとめたのが、2011年の『年賀状の戦後史』です。

 受賞作の「東京五輪の郵便学」は、その第2弾として、1964年の東京五輪を中心とした“所得倍増”と切手ブームの時代の諸相について、海外の諸国の日本へのまなざしも含めて、まとめたものです。

 じつは、この企画については、2014年の東京五輪(1964年)50周年のタイミングにあわせて出版を準備していたのですが、原稿を半分ほど書いたところで、刊行予定だった出版社の担当者が退職してしまい、計画が頓挫していたままになっていました。

 そこで、2020年の五輪開催にあわせて、書きかけの原稿を完成させて書籍として刊行したかったのですが、五輪の開催そのものが2021年に延期されてしまったこともあり、なかなかうまくいきませんでした。

 ところで、2014年以降、毎年7ー8月は全日本切手展国際展があり、なかなか原稿執筆のためのまとまった時間が取れないことが多かったのですが、幸か不幸か、昨年(2020年)はコロナ禍のため全日本切手展が中止になっただけでなく、7-8月には国際展の開催もなしということで、思いがけず時間に余裕ができました。

 そこで、2021年に延期された五輪のタイミングに合わせて、ともかくも、書きかけのままになっていた「東京五輪の郵便学」を完成させようと考え、8月31日が〆切の河上肇賞に応募してみたというわけです。

 応募に際しては、まぁ本賞の受賞は難しいでしょうが、運よく最終選考に残れば、候補作のリストが発表されるときに“郵便学”という語が表に出るのでプロモーションとしての効果はあるだろうし、なにより、ともかくも原稿を最後まで書ききってしまえば、なんらかのかたちで2021年の五輪開催にあわせて書籍を出せるのではないかというくらいの軽い気持ちでしたので、実際に本賞受賞という結果を知らせていただいたときには、ちょっと驚きました。

 なお、受賞後の藤原書店との打ち合わせでは、本年の五輪開催についても状況がいまいち読み切れないことに加え、1964年の東京五輪だけでなく、1970年の大阪万博までウィングを広げて1960年代の高度成長期全体を俯瞰する内容にしたほうが、“切手を通じた戦後史の再構成”というテーマとしては、より重厚な作品に仕上がってよいのではないかということになりました。そこで、受賞作の題名にある“東京五輪”にとらわれず、じっくり腰を落ち着けて、これから大幅な加筆作業に取り掛かろうかと考えています。

 なお、末筆になりましたが、今回の受賞に関して、藤原良雄社長をはじめ主催者の藤原書店の皆様、審査をご担当いただいた諸先生方、ならびに、お世話になったすべての方々にお礼申し上げ、簡単ではありますが、受賞のご挨拶とさせていただきます。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 4月12日(月) 05:00~  
 文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 4月23日(金) 15:00~ 
 東京・浅草の東京都立産業貿易センター台東館で開催のスタンプショウ会場にて、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』の刊行記念トークを行います。入場無料・事前予約不要ですので、お気軽にご参加ください

 5月15日(土)~ 武蔵野大学の生涯学習講座
 5月15日、22日、6月5日、19日、7月3日、17日の6回、下記のふたつの講座でお話しします。 
 13:00~14:30 「日本の郵便150年の歴史 その1 ―“大日本帝国”時代の郵便事情―」
 15:15~16:45 「東京五輪と切手ブームの時代 ―戦後昭和社会史の一断面―」
 対面授業、オンラインのライブ配信、タイム・フリーのウェブ配信の3通りの形式での受講が可能です。詳細については、武蔵野大学地域交流推進室宛にメール(lifelong★musashino-u.ac.jp スパム防止のため、アドレスの@は★に変えています)にてお問い合わせください。

★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』4月20日刊行! ★

      郵便創業150年の歴史ー1表紙 2530円(本体2300円+税)

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第1巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱いました。今後、2021年11月刊行予定の第2巻では昭和時代(戦後)を、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 


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 出版社からのコメント
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