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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 郵便創業150年
2021-04-20 Tue 01:08
 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業してから、きょう(20日)で150周年になりました。というわけで、きょうはこんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      龍48文シート

 これは、1871年4月20日、郵便創業時に発行された日本最初の切手である龍文切手のうち、48文切手のシートです。当然のことながら、僕の私物ではなく、本日付で刊行の拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』で図版として使用すべく、編集部を通じて、ある方から画像をご提供いただいたものです。

 さて、日本の近代郵便は東京=大阪間で開業しましたが、当初、その料金は差出地から直近の宿駅までを5匁(当時は18.7グラム)ごとに100文として、そこから距離に応じて100文単位で刻みが上がり、最も距離の離れた東京=大阪間は1貫500文(1貫は1000文)でした。

 また、書状の重さが5匁を越える場合には、5匁ごとに1通の半額分が追加される計算で、48文の切手はそのために必要だったのですが、48文という額面については、若干の説明が必要かもしれません。

 江戸時代まで通貨は、基本的には、金貨と秤量貨幣(貴金属としての品位・量目を検査・計測して用いる貨幣)の銀、それに、銭(銅銭)の3種類でした。

 このうち、金貨と銀の交換レートは、公定相場では、金1両(小判1枚)=銀60匁(224.4g)=銭4000文で、金貨に関しては、補助貨幣として分と朱があり、1両=4分、1分=4朱という勘定になっていました。

 この計算だと、1朱=250文ですが、じっさいに銭を250枚持ち歩くのは不便なので、麻や藁などで100文ごとに括った緡(さし)がつくられています。そして、緡の状態になっている銭に関しては、手数料・紐代込で96枚の銭が括られていれば、100文とみなすという慣例がありました。なお、96文は、金貨が4進法で1両が銀60匁であったことをふまえ、4と6の公倍数のうち、100を越えず、100に最も近いことから選ばれた値です。

 これがいわゆる九六勘定で、48文は、緡1本をばらした時の半額、すなわち、当時の人々の感覚としては、100文の半分でした。ちなみに、明治元(1868)年頃の物価は、コメ1升が500-1000文、もり蕎麦が20-24文です。

 横1列8枚の5段組、計40面という龍文切手のシート構成は、上記のような通貨制度に対応したもので、100文切手の場合、40枚の額面合計4000文は1両に相当しています。同様に、200文切手のシートは2両に、500文切手のシートは5両に相当し、48文切手のシートは1両の半分、すなわち、2分になります。シートを縦1列、5枚分で切り取れば、48文切手で250文相当、ずなわち1朱に相当し、横1列、8枚分で切り取れば400文相当、すなわち1両の10分の1として、銀6匁という勘定です。

 ちなみに、わが国の郵便創業前後の状況については、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。

* 昨日(19日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。リスナーの皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。次回は来週月曜日・26日に登場の予定です。引き続きよろしくお付き合いください。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 4月23日(金) 15:00~ 
 東京・浅草の東京都立産業貿易センター台東館で開催のスタンプショウ会場にて、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』の刊行記念トークを行います。入場無料・事前予約不要ですので、お気軽にご参加ください。なお、スタンプショウの詳細はこちらをご覧ください

 4月24日(土)  倉山塾東京支部特別講演
 靖国神社参拝と講演がセットになった有料イベント(参加費は3000円、高校生以下1000円)で、スケジュールは以下の通りです。
 14:15 集合 靖国神社 大村益次郎像前 → 参拝(昇殿参拝ではありません)後、講演会場へ移動
 15:00 講演会の受付開始
 15:30-17:00 内藤の講演(拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』の内容が中心ですが、前日のスタンプショウとは内容が異なるので、両方ご参加いただいても問題ありません)
 * 終了後、懇親会の予定あり(別途予約が必要です)
 お申し込みなどの詳細はこちらへ。一人でも多くの方のご参加をお待ちしております。

 4月26日(月) 05:00~  
 文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 5月15日(土)~ 武蔵野大学の生涯学習講座
 5月15日、22日、6月5日、19日、7月3日、17日の6回、下記のふたつの講座でお話しします。 
 13:00~14:30 「日本の郵便150年の歴史 その1 ―“大日本帝国”時代の郵便事情―」
 15:15~16:45 「東京五輪と切手ブームの時代 ―戦後昭和社会史の一断面―」
 対面授業、オンラインのライブ配信、タイム・フリーのウェブ配信の3通りの形式での受講が可能です。詳細については、武蔵野大学地域交流推進室宛にメール(lifelong★musashino-u.ac.jp スパム防止のため、アドレスの@は★に変えています)にてお問い合わせください。

★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』 好評発売中! ★

      郵便創業150年の歴史ー1表紙 2530円(本体2300円+税)

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第1巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱いました。今後、2021年11月刊行予定の第2巻では昭和時代(戦後)を、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 
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