内藤陽介 Yosuke NAITO
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 独裁者死して
2006-12-26 Tue 00:57
 中央アジア・トルクメニスタンで旧ソ連時代から20年以上にも渡って独裁権力の座に君臨していたサパルムラト・ニヤゾフ大統領が21日に急死し、その葬儀が24日に行われました。というわけで、今日はこの切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

 ニヤゾフ

 これは、1992年にトルクメニスタンが独立国として発行した最初の切手の1枚で、国旗をバックに、同年6月に晴れて初代トルクメニスタン大統領に就任したばかりのニヤゾフの肖像が取り上げられています。

 生前のニヤゾフは、とにかく、とてつもない独裁者で、トルクメニスタンは“中央アジアの北朝鮮”とまで言われていました。

 たとえば、首都のアシガバードでは、ほぼ50メートルごとに大統領の肖像や銅像が設置されており、肖像や銅像を清掃する担当者がいるほか、全ての生活必需品を網羅するニヤゾフ・ブランドの商品が売られています。まぁ、これくらいなら、他の独裁国家にも例がないわけではないのですが、大統領の一存で、①首都と大学を除く図書館の廃止(ニヤゾフいわく「田舎の人はどちらにしても字が読めないのだから」)、②バレエ上演の禁止(ニヤゾフいわく「白鳥の湖の男性ダンサーの衣装が気に入らない」)、③首都を除く地方の病院を閉鎖(ニヤゾフいわく「ちゃんとした医師は首都にいる。病人は首都に行けばよい」)、④女性の金歯を禁止(ニヤゾフいわく「女性には金歯が似合わない」)、⑤口パクの禁止(ニヤゾフいわく「歌や音楽の発展に負の効果をもたらす」)…といったトンでも系の規制がまかり通っていたとなると、やっぱり、ただ事ではないでしょう。ちなみに、ニヤゾフが肺がんの療養中ということで、トルクメニスタン国内は禁煙が義務化されていましたが、彼の死で、国民はタバコを吸えるようになったんでしょうか。

 まぁ、トルクメニスタンが何もない国だったら、辺境の独裁国家もお笑いネタですんだのでしょうけれど、なにせ、かの国は天然ガスの世界第4位の埋蔵量を誇る資源大国ですからねぇ。カマドの灰の下まで自分のモノにしていた独裁者の“遺産”をめぐって、これから一波乱も二波乱も起こるのは避けられないでしょうなぁ。

 収集家目当てのインチキ切手が多いといわれるトルクメニスタンですが、ひょっとしてひょっとすると、今後の政情次第ではいろいろと面白いマテリアルが登場することになるのかもしれません。しばらくは要チェックですな。
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この記事のコメント
#459
先生、わたくしもニヤゾフの記事を書いてましたが、上記のようなエピソード知りませんでした。とてもおもしろかったです。TBしてもよいですか?
2006-12-26 Tue 15:05 | URL | JN #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 JN様
 TBは原則として大歓迎です。今回もありがとうございました。アダルト系などの不適切なものは、こちらで容赦なく削除しますので、これからも気軽に送っていただけると幸いです。
2006-12-30 Sat 22:07 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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