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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 バルバドスが共和制に移行
2021-12-01 Wed 02:09
 カリブ海のバルバドスは、きのう(30日=同国の独立記念日)、エリザベス英女王を元首とする立憲君主制から共和制に移行しました。英連邦王国を構成する国の共和制への移行は1992年のモーリシャス以来で、今回のバルバドスの離脱で、連邦王国の構成国は15カ国になります。なお、バルバドスは今後も英連邦にはとどまる予定です。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      バルバドス・最初の切手

 これは、1852年に発行されたバルバドス最初の切手です。

 バルバドスは、カリブ海の西インド諸島にある島国で、1536年に島を訪れたポルトガルのペドロ・カンポス一行が、この島に生える木の根(苔やつる草という説もあります)をヒゲに見立てて、ポルトガル語で“ヒゲの生えたもの”を意味する“Os Barbados”と命名したのが地名の由来です。

 バルバドスに最初にやってきた西洋人は、1500年に渡来したスペイン人でしたが、スペイン、ポルトガルによる植民地化は成功せず、1627年にセントキッツ島から来た英国人ジョン・パウエルの開拓団により、本格的な植民地化がスタートします。

 郵便に関しては、1663年、ブリッジタウンに取扱所が設けられ、最初のうちは不定期便が行われていましたが、1702年、エドムンド・ダマーにより、英本国のファルマスから(1705年以降はプリマスから)ブリッジタウンまでの月に1度の定期便が開始されます。なお、ブリッジタウンから英国行きの便は月に3-4便運航されていました。

 ダマーによる定期便は、1711年に彼が破産したため中断されましたが、1745年、英本国郵政省による不定期便が復活し、1760年代からは“Barbadoes”と表示された郵便印の使用も始まります。その後、1851年8月1日、バルバドス島内の通信に関しては植民地の立法府が担当することになったため、バルバドスでも独自の切手が発行されることになりました。

 切手は、製造コストを抑えるため、他の英領植民地のモーリシャストリニダードと同じ版を使い、地名など文字部分のみを変更するスタイルが採られ、ぺ二ーブラックの原画を制作したヘンリー・コーボールド(コーバウルドとも)が原画を制作し、同じくペニーブラックの原版を彫刻したフレデリック・ヒースが原版彫刻を担当します。

 この時制作された切手には額面数字の表示はなく、額面ごとに色を変えていたのが特徴で、最初に製造された緑色の半ペニー切手(今回ご紹介の切手です)と青色の1ペニー切手は、1851年12月30日、アマゾン号に搭載されて英国を出発しました。しかし、この船は事故でバルバドスには到達できなかったため、1852年1月と2月、あらためて、灰色の2ペンス切手とあわせて3種類の切手が英国から発送され、同年4月15日にバルバドスに到着。これにあわせて、同日、バルバドスの郵便局が正式にオープンし、バルバドス最初の切手が発行されました。

 当時の島内宛の郵便料金は、半オンスごとに1ペニーで、島内で発行されている新聞に関しては料金は無料、その他の印刷物は半ベニーでした。一方、英国宛の郵便物は半オンスごとに6ペンスでした。


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