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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 こわい切手:恐ろしい交通事情
2021-12-06 Mon 01:08
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、雑誌『ザ・フナイ』2021年12月号ができあがりました。僕の連載「こわい切手」は、今回は交通事故関連の切手について取り上げましたが、その記事の中から、この切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      アルジェリア・交通事故防止(2009)

 これは、2009年にアルジェリアが発行した“交通事故防止”のキャンペーン切手です。

 いわゆる心霊体験が一度もなく、オカルトの類を全く信じない人であっても、自動車を運転していたり、道路を歩いていたりしているときに危険な運転の自動車に遭遇して“怖い”と感じたことは一度や二度ではないでしょう。

 わが国の場合、1970年頃には交通事故の死者数は1万6000人を超えていましたが、その後は減少傾向をたどり、1996年以降は1万人を割り込み、近年は4000人以下となり、2020年には2839人でついに3000人を下回りました。それでも、多くの人々が交通事故で命を落としているわけで、交通死亡事故を減らすためのさまざまなキャンペーンが行われています。

 交通事故者を減らすためのキャンペーンは世界各国でも盛んに行われており、その一環として、しばしば交通安全の宣伝切手が発行されるわけですが、そのデザインの一つのパターンとして、悲惨な事故現場や犠牲者の姿を見せ、事故の恐ろしさを認識させることで、無謀な運転を抑止しようする手法があります。

 今回ご紹介のアルジェリアの切手はその典型例で、事故で反転、クラッシュした自動車とその手前に突き出された手が描かれています。切手に描かれた手が、事故をストップさせようという意思表示なのか、事故車に乗っていた人(事故車の破損具合からして、無事では済まなさそうです)が助けを求めて掲げたものなのか、切手を見ただけでは判別不能ですが、かなりのインパクトがある組み合わせです。

 かつての日本では交通事故とその死亡者が深刻な社会問題となり“交通戦争”なる言葉も使われましたが、2020年1月に現地の日本大使館が作成した在留邦人向けの『安全の手引き』では、アルジェの交通事情は“交通テロ”と形容されています。

 もともと、アルジェリアの国土は起伏に富んでいるうえ、道路は概して細く、坂道や曲がり路が多く、雨天時に浸水するなど道路事情も決して良くありません。また、国全体で見ると、信号機が設置されている交差点も決して多くはありません。そうした道路環境に加え、市街地では時間帯によっては相当の交通量があり、渋滞が頻繁に発生することもあって、強引な割り込み、一方通行での逆走、方向指示表示なしの急な車線変更、夜間の無灯火、スピードの出し過ぎなどの荒い運転が横行。交通法規を守らない者も少なくないことから交通事故は年々増加しているそうです。

 実際、2018年1月時点でのアルジェリアの人口は、日本の人口の約3割、約4220万人ですが、2019年の交通事故による死者数は3275人で3215人の日本とほぼ同じ。したがって、単純に人口比で換算すると、交通事故の死者数は日本の3倍という勘定ですから、交通安全キャンペーンの切手も、このくらいどぎついデザインにしないと効果がないということなのでしょう。


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