内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ロマノフ家版・双頭の鷲
2007-03-08 Thu 01:30
 ロシアの2月革命はユリウス暦の1917年2月23日に起こったことからこの名で呼ばれていますが、この日付は、現在一般に使われているグレゴリオ暦では1917年3月8日(ちょうど90年前)となります。というわけで、今日は、革命によって滅亡したロマノフ朝を偲んで、こんな切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

ロシア在トルコ局

 これは、1863年に帝政ロシアがオスマン帝国内に設けていた郵便局で使用するために発行した最初の切手です。上部のマージンがちょっと狭い(ただし、印面にはタッチしていません)とか、中央部にちょっと糊のシワがあるとか、コンディションの点ではイマイチですが、まぁ勘弁してください。

 オスマン帝国の領内における帝政ロシアの郵便活動は、1721年にサンクトペテルスブルグ=イスタンブール間で外交文書を運んだのが最初といわれています。その後、1774年になるとイスタンブールの領事館で郵便物の定期的な取り扱いが始まり、ロシア側は“治外法権”を援用するかたちで郵便網を拡充していきます。

 郵便印が用いられるようになったのは1830年ごろのことで、1856年にはロシア通商航海会社(ROPiT)による郵便サービスが始まり、オデッサ経由でオスマン帝国内の同社のオフィスからロシア全土への郵便物の配達が可能となりました。

 1863年、オスマン帝国内のROPiTのオフィスはロシア国内の郵便局と同等の資格を与えられ、実質的なロシア局として機能するようになります。これに伴って発行されたのが、今日ご紹介している6コペイカの切手というわけです。

 さて、切手には大きくロマノフ家の紋章である“双頭の鷲”が描かれています。

 双頭の鷲は、もともとは、東ローマ帝国で東洋と西洋の両方にローマ皇帝の支配を意味するものとして使われていました。東ローマ帝国の後継者を自負していたロマノフ朝は、東ローマ帝国にならい「西(ヨーロッパ)」と「東(アジア)」にまたがる統治権を象徴するため、この紋章を採用しています。

 双頭の鷲の紋章は、当時のロシア本国の切手にも描かれているのですが、いかんせん、切手が小さいので細部はよく見えません。その点、今日ご紹介の切手は、本国切手に比べて大判なので、細かいところまで見えるのが嬉しいところです。

 なお、“双頭の鷲”は、ロマノフ家以外にも、ヨーロッパ各地の王室等の紋章として用いられていますが、それぞれ、微妙に異なっています。有名なところではハプスブルク家の紋章もそうですが、それがロマノフ家とどう違っているのか、そのあたりの薀蓄は、オーストリアと切手が大好きというユリヤ嬢のブログで、いずれ読めるんだろうと期待したいところです。
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2007-03-08 Thu 12:38 | | #[ 内容変更] | ∧top | under∨
#538 管理人のみ閲覧できます
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2007-03-08 Thu 17:32 | | #[ 内容変更] | ∧top | under∨
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2007-03-08 Thu 22:14 | | #[ 内容変更] | ∧top | under∨
#544 「双頭の鷲」つながりで
「双頭の鷲」新潮文庫 佐藤賢一著 では英仏百年戦争の前期のフランス側の将軍ベルトラン・デュ・ゲクラン大元帥を主人公にしています。デュ・ゲクランの旗印も双頭の鷲ということです。なお、デュ、ゲクランに関する切手は戦後のフランスで2種類でています。イギリスに勝利したという点ではナポレオンにまさる将軍です。
2007-03-11 Sun 01:27 | URL | 岡本 哲 #mQop/nM.[ 内容変更] | ∧top | under∨
 岡本哲様

 いつもコメントありがとうございます。
 佐藤賢一の小説は、中世ヨーロッパという我々になじみのないテーマでありながら、すっきり読みやすいですよね。僕も見習わないと。
2007-03-14 Wed 23:33 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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