内藤陽介 Yosuke NAITO
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 かわいげのない子供
2007-05-05 Sat 00:39
 今日はこどもの日です。というわけで、単純素朴にこんな切手を持ってきてみました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

世界こどもの日

 これは、1956年5月5日に発行された「世界こどもの日制定」の記念切手です。

 世界こどもの日というのは、1954年11月、「あらゆる国によって、児童間の世界的友愛および理解、ならびに(国連)憲章の理想および目的、世界児童の福祉の増進、かつ、世界のあらゆる児童のために国連が行う努力の強化および拡充に貢献する活動の日」として定められたもので、1956年から各国で実施されています。

 わが国では、外務省と厚生省との協議の結果、“こどもの日”である5月5日を“世界こどもの日”とし、1956年以降、関係官庁や民間団体でしかるべき行事が行われることになりました。今回の切手は、その第1回を記念して発行されたものです。

 さて、実際に発行された切手の子供は、なかなか、時代を髣髴させるかわいらしい顔で描かれていますが、もともと、新聞などに発表された原画はこんな感じでした。(『切手』紙より)

世界こどもの日(原画)

 この原画について、当時、郵政審議会の専門委員だった三井高陽は「男の子の目が鋭すぎてフイリツピンやインドネシヤの子供のように見えるから、もつと目をやさしくして日本人らしくするように」と注文をつけています。また、この原画が新聞などで発表されると、「以前に発行された子供関係の切手に比較してなんと可愛らしくない表情であることか」(阿部俶彦)と感想を述べる収集家も少なからずいたようです。

 それにしても、フィリピンやインドネシアにだって、かわいらしい子供は沢山いると思うのですが、当時の日本人のイメージでは、どうもそうではなかったみたいですね。

 なお、この切手の詳細については拙著『ビードロ・写楽の時代』でまとめています。同書は現在、版元品切れですが、先ほどの時点ではアマゾンでは中古を含めて入手が可能でした。じっさい、一部では、同書は定価以上で取引されていることですし、版元の日本郵趣出版さんには、是非とも、重版をかけていただきたいものです。

【飛鳥美人の救出まであと5日】
 5月10日、劣化の激しい高松塚古墳・西壁壁画“飛鳥美人”の取り外し作業が始まります。この壁画の発見当時の美しい姿を再現した「高松塚保存基金」の切手(1973年3月発行)と、当時の高松塚ブームならびに切手ブームについては、拙著『沖縄・高松塚の時代』をご覧ください。
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