内藤陽介 Yosuke NAITO
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 KGVI
2007-05-12 Sat 00:36
 今日(5月12日)は、いまからちょうど70年前にイギリスのジョージ6世(エリザベス女王の父君。KGVIと略されることもある)が戴冠式を行った日だそうです。といっても、戴冠式の記念切手は以前の記事でご紹介してしまいましたので、今日はこんなモノを持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

イギリス・切手100年カバー

 これは、1940年5月に発行されたイギリスの切手100年の記念切手が貼られたカバーです。切手は、最初の切手のヴィクトリア女王と当時の国王のジョージ6世をならべて1840と1940の文字を配したシンプルなデザインになっています。

 ジョージ6世は、1936年12月、いわゆる“王冠をかけた恋”で兄エドワード8世が退位したため、急遽、国王として即位しましたが、その際、「これはひどいよ。私は何の準備も、何の勉強もしてこなかった。」とぼやいていたそうです。

 しかし、即位後は、国王としての義務と責任を誠実に実行。 特に第2次世界大戦では、ロンドンから疎開せずイギリス国民の先頭に立ってドイツ軍の空襲に耐え、ドイツ軍による空襲の被災地を訪問して親しく国民を慰めました。このことが、イギリス国民を大いに勇気づけ、国土は疲弊しながらも戦勝へと精神的に導いたと評価されています。

 今回ご紹介のカバー(封筒)は、戦時下の1940年6月に差し出されたもので、“HELP TO WIN ON THE KITCHEN FRONT”とのスローガンの入った印が押されています。また、「すべては私しだい」というスローガンの入ったユニオンジャックのラベルが貼られているのも、戦時下という当時の世相を象徴したものと言ってよいでしょう。

 ジョージ6世の治世は、ちょうど第2次大戦の前後をカバーしているので、いろいろと面白いマテリアルが沢山あります。いままで、このブログでご紹介したものだけでも、たとえば、こんなモノだとかこんなモノこんなモノこんなモノ・・・といった具合に、さまざまなマテリアルがすぐに出てくるぐらいで、僕にとっては、下手するとエリザベス女王よりも顔なじみの王様といっても良いかもしれません。

 もちろん、6月末の刊行を目指して現在制作中の『香港歴史漫郵記』でも、ジョージ6世の切手やカバーはいろいろと面白いものを取り上げていますので、刊行の暁には、ご覧いただけると幸いです。

 なお、今日ご紹介のカバーに関しては、拙著『これが戦争だ!』でも取り上げています。よろしかったら、こちらも是非、ご一読ください。
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この記事のコメント
#632 戦争とマテリアル
 戦争という非常事態の中では、敵・味方、敵の切手を使った味方の切手、味方の切手を使った敵の切手というように錯綜してしまいますので、大変なマテリアルの宝庫なのですね。(これに戦時インフレも加わるか!)
 こうした時代のマテリアルは高そうな気がするのですが、実際どうなのでしょうか?
2007-05-12 Sat 20:02 | URL | muraki #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 muraki様

 不謹慎な言い方ですが、資料としての切手やカバーという観点からすると、平和で安定した国のモノってのは、あんまり面白くありませんよね。むしろ、戦争とか内乱、災害のように、実際には生活したくない状況の下で生れたマテリアルの方がはるかに面白い。

 第二次大戦の時期に関しては、もちろん、人気のあるものは高いのですが、欧米モノに関しては、それなりに安く手に入るモノも多いので、案外手軽に楽しめるように思います。ちなみに、今日のカバーは2000円くらいだったかな。まぁ、これを安いと見るか高いと見るか、その辺は人によって判断が分かれるところでしょうけれど…。
2007-05-16 Wed 01:48 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
#643
今度刊行される「香港歴史漫郵記」は「切手が語る香港の歴史」とは違う版元から出されるのですね。どんな内容か今から興味津々です。「切手が語る香港の歴史」はいかにも社会評論社刊行といったタッチで書かれた箇所もありましたが。特に日本軍占領時代についてが。
2007-05-16 Wed 21:02 | URL | F.M. #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 F.M.様

 まぁ、前回の本を書いたときはまだ20代でしたからねぇ。

 「20代で左翼でない者は心が病んでいるが、30代になっても左翼であり続ける者は頭が病んでいる」(数字はうろ覚えですが)という言葉もありましたが、この10年間で自分のモノの見方が変わったことをきちんと書いておきたかったというのが、『香港歴史漫郵記』を書いた動機の一つです。まぁ、生来のひねくれ者ゆえ、依然として世間から見れば“病んでいる”状態なのかもしれませんが…。

 刊行の暁には、ご覧いただけると幸いです。
2007-05-19 Sat 08:51 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
#651 承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2007-05-19 Sat 21:35 | | #[ 内容変更] | ∧top | under∨
 Jonathan様

 コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
2007-05-22 Tue 20:19 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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