内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アラブの都市の物語:アブダビ
2007-05-21 Mon 01:11
 NHKのアラビア語会話のテキスト6・7月号が出来上がってきました。僕の担当している連載「切手に見るアラブの都市の物語」では、今回は、アラブ首長国連邦(UAE)の首都、アブダビを取り上げました。その記事に使ったものの中から、今日は、このカバー(封筒)をお見せしましょう。(画像はクリックで拡大されます)

アブダビ切手のFDC

 これは、1964年3月30日に発行されたアブダビ最初の切手が11種貼られた初日カバーです。テキストの図版はモノクロなのですが、ブログではカラーでのご紹介となります。

 1971年にUAEが発足する以前のアブダビでの近代郵便制度は、1960年に沿岸のダス島に暫定的な郵便局が置かれ、現地通過の額面を加刷したイギリス切手が使われるようになったことから始まります。

 当時、イギリスと休戦協定を結んで保護国になっていた“休戦協定諸国(trucial states)”のなかで、アブダビとドバイという“2大首長国”は積年のライバルとしてあらゆる面で張り合っていました。以前の記事でも書きましたが、イギリスが“休戦協定諸国”共通の切手を発行しようとした際「ドバイの風下に置かれるような扱いは真っ平ごめんだ」として、アブダビがその切手を拒否したことは、そうした両者の関係を象徴するエピソードといえます。

 結局、“休戦協定諸国”共通の切手を拒否したアブダビは、1963年3月、アブダビ市内に郵便局を設置。その1周年にあたる1964年3月から、ここに示したような独自の切手を使用しはじめたというわけです。ちなみに、切手のデザインはアブダビ最初の切手。5~30NP(ナイエ・パイサ)切手が首長シャクブートの肖像、40~75NP切手がシャクブートとガゼル、1・2R(ルピー)切手がシャクブートと王宮、5・10切手がシャクブートと油井を背景にしたラクダ、です。

 さて、今回の「切手に見るアラブの都市の物語」では、アブダビそのものの歴史をたどりつつ、今回ご紹介した切手が発行されてから、UAEの結成によりアブダビ切手が消滅するまでのあらましをまとめてみました。ご興味をお持ちの方は、是非、現在発売中のNHKアラビア語会話のテキストをお手にとってご覧いただけると幸いです。

 なお、アブダビを含む“アラブ土侯国”とその郵便の全体像については、拙著『中東の誕生』でもまとめていますので、よろしかったら、こちらもご一読いただけると幸いです。
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この記事のコメント
#655 NHKアラビア語会話
のテキストが売られていませんでしたので、せっかくの連載記事が読めませんでした。(行ったのは県下有数の都市のT○○○YA。田舎の読者をどう思っているんだろう...)機会がありましたら読んでみます。
 切手収集をはじめた頃、アフダビなどの「土侯国切手」は、買うな使うなとよく指摘されていました。そんな切手が出た背景を知ることが出来ればと思います。
2007-05-22 Tue 00:08 | URL | muraki #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 muraki様

 うーん、やっぱりアラビア語講座はマイナーってことなんでしょうかねぇ。面目ないです。

 いわゆる土侯国の中でも、アブダビはいわゆる濫発国ではないのですが、やっぱり、日本では十把一絡げにされてしまうんですよねぇ。ちょっと残念。
2007-05-22 Tue 20:33 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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