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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 おかげさまで2周年
2007-06-01 Fri 01:03
 おかげさまで、本日6月1日をもって、ブログの開設から2周年を迎えることができました。日頃、このブログを応援していただいている皆様には、あらためて、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 というわけで、“2周年”がらみのマテリアルとして、こんなモノを引っ張り出してきました。(画像はクリックで拡大されます)

蒙疆・開戦2周年カバー

 これは、1944年1月3日、日本軍占領下の蒙疆(内蒙古)・武川から北京宛の配達証明便で、一番左側には蒙疆政権(現地の親日派政権)が発行した“大東亜戦争2周年記念”の4分切手が貼られています。

 “大東亜戦争2周年”の記念切手は、日本の内閣印刷局が製造したもので、鉱山労働者の姿が描かれています。これは、「鉱山資源の豊かな蒙疆地域は鉱業の増産によって日本の戦争に協力しよう」というプロパガンダを表現したものと考えることができます。

 蒙疆政権の切手に関しては、吉田一郎の日本精版印刷株式会社が幻に終わった普通切手の試作品と1943年4月の蒙古電信事業5周年の切手を制作し、高い評価を得ています。

 しかし、蒙疆政権の交通総局郵政科の横井正は、図に乗って、1943年7月14日、吉田に対して、「蒙疆政権では同年末に“大東亜戦争2周年”の記念切手を発行する計画があるので、そのために参考となる図案を作成してほしい」との依頼状を一方的に送りつけています。しかも、横井は「紀念切手の發行は別に決定した譯ではありませんから、貴男様の方より圖案を送って戴いても別に圖案の料金等は支払ひ出来ない譯で、・・・(中略)・・・右の点、豫め御含み置き願ひます」と主張。蒙疆政権としては、日本精版のノウハウにただ乗りしたいから協力せよという、虫の良い要求を突きつけています。横井の厚顔ぶりはこれに留まらず、吉田が依頼を受けるものと勝手に決め付けて話を展開し、図案についてもさまざまな指示を出す始末で、これをきっかけに、吉田と蒙疆政権の関係は切れてしまいました。

 そこで、日本精版から袖にされた蒙疆政権があわてて記念切手の製造を日本の印刷局に依頼し、なんとか出来上がったのが今回ご紹介している切手というわけです。

 蒙疆地域の記念切手に関しては、なかなか気の利いたカバーがなくって苦労させられるのですが、このカバーは、配達証明というひねった使用例の上、張家口や大同とは違って地方のマイナーな局の消印が押されているので個人的にはお気に入りの1枚です。このブログの“2周年”記念として持ってきても罰は当らないマテリアルと思うのですが、さてさて、いかがなものでしょうか。

 なお、吉田一郎と蒙疆政権の切手については、拙著『外国切手に描かれた日本』の中で詳しく説明していますので、もしよろしかったら、そちらの方もご一読いただけると幸いです。
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この記事のコメント
#684 祝2周年
 毎日楽しく読ませて頂いております。読むたびに切手について新しい認識が出来、切手コレクターとして大変勉強になります。
 今日の切手ですが、「官尊民卑」を絵に描いたような話で、その傲慢さにあきれました。切手の発行には色々なことがあるのですね。
2007-06-01 Fri 18:10 | URL | muraki #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 muraki様
 いつもありがとうございます。とりあえず、なんとか2年間は皆勤賞でやってきましたが、ちょっとしんどくなってきたことも事実です。とはいえ、いまさら途中で休むのも“敵前逃亡”のような感じがして厭なので、なんとか頑張っています。

 毎日、muraki様がいろいろと書き込んでくださるのは、本当に励みになります。これからもよろしくお付き合いください。
2007-06-02 Sat 10:23 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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