内藤陽介 Yosuke NAITO
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 エピルスのドクロ切手
2005-08-13 Sat 10:25
 お盆ということで、怪談話やお化け屋敷には欠かせない、ドクロの切手をご紹介しましょう。

エピルス

 この切手は、1914年に北エピルスの自治政府が発行したものです。

 エピルスは、ギリシャとアルバニアにまたがる地域で、長らく、オスマン帝国の支配下に置かれていました。1911年、アルバニアでオスマン帝国に対する独立運動が発生し、翌年、アルバニアは独立を宣言しますが、このとき、新生アルバニアはエピルスの北部地域の領有権を主張しました。

 ところが、この地域で多数派を占めていたギリシャ系の住民は、ムスリム(イスラム教徒)のアルバニア人の支配を歓迎せず、1912年10月、マケドニアの解放を争点とする第一次バルカン戦争が起こると、その混乱に乗じて、自治政府の成立を宣言しました。もちろん、自治政府樹立の背景には、バルカンでの影響力拡大をねらうギリシャの画策があったわけですが…。

 こうして発足したエピルスの自治政府は、自らの存在を内外にアピールするため、1914年2月、ドクロと双頭の鷲を組み合わせた紋章をデザインした切手を発行します。なお、 切手に書かれているギリシャ語は、 “ギリシャ自治のエピルス:祖国を防衛せよ”との意味です。

 その後、第一次大戦が始まると1916年にこの地域はギリシャによって占領され、自治政府も崩壊してしまいました。

 エピルスの名が日本でも話題となるとすると、宝飾ブランドとして名高いブルガリの創業者、ソティリオ・ブルガリ(彼の家は、代々、銀細工職人であった)がこの地の出身ということでしょうか。この切手は、素朴ながらもカッコよくって、昔から切手収集家の間では人気がありますが、かのブルガリをはぐくんだ土地で作られたと聞けば、さもありなん、と納得してしまいます。
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